四年ぶりに本を書きました。
執筆のきっかけは、大学講義『起業論』におけるスタートアップの調査研究です。書籍名となった『業界破壊企業』、英語ではディスラプター。すごいビジネスモデルやテクノロジーで「破壊的なイノベーション」を起こす新興企業のことです。 なんだ、そんなの昔からあるじゃないか。と感じてしまう方のために、こんなムービーをつくってみました。世界のトップ企業ランキング(時価総額ベスト10)が、1980年から2020年までの40年間でどう移り変わっているかを、ストーリーとして集約したものです。
この映像にあるすべてのバブルとその崩壊は、僕自身が強烈な体感を通じて学んできたもので、頭の中には未だに生々しい記憶があります。
中でも、インターネットの登場は世界を大きく変えました。 「価値をつくるコスト」「知ってもらうコスト」が激減したのです。「リーンスタートアップ」「デザイン思考」など事業創造メソッドも確立されたことで、いまや、極めて短期間に「業界を破壊するような影響力を持つスタートアップ」が続々と登場する時代になったのです。デジタル・ネイティブ「ミレニアル世代」の台頭も、それを加速させる要因となっています。 網羅的に良質な新興企業を選定するために、米国ニュース専門局CNBCが毎年発表する「CNBC ディスラプター50」をベースにして、業界を破壊するようなインパクトをもつ企業を22社ピックアップし、具体的やサービスの特徴やその成功要因を解説しました。手元において、いつでも参考にできる「最新ビジネスモデル辞典」として活用いただけることを目指しました。 加えて「ミレニアル」「サステナブル」「リーンスタートアップ」など、業界破壊企業を生みだすエッセンスについても詳しく解説を加えており、最新のビジネス用語やビジネストレンドを、前提知識なしでも誰でも理解できるよう心がけました。 さらに、この40年のベンチャーの歴史をひもといて、バブルの発生と崩壊、いま注目されているWeWork問題からコロナショックまで、そのインパクトや今後の見通しについても書き下ろしています。 本の内容については、イノベーションチームdot につくってもらったホワイトボード・アニメーションがめちゃわかりやすいと評判ですので、ぜひチェックしてみてください。
ビジネスの潮流を辿ると、今、なぜ、人々の価値観が大きく変容しようとしているのか、これからどのような視界が広がるのかがおぼろげながら見えてきます。
キーワードは「お金視点の経営から、幸せ視点の経営」へ。そんな未来の方向まで示唆した、濃い内容の一冊に仕上げました。 これから大きく変わりそうけど、どう変わるかわからない。どうすればいいのかわからない。 そんな方におすすめです。ぜひ手にとって、今という時代を体感してみてくださいね。 なお、この書籍をもとにした講演もお受けしています。ご興味ある方、スライドを みんなの図書館 にて閲覧・ダウンロードできますので、ぜひご覧くださいね。 光文社新書『業界破壊企業』
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今、幸せ視点の経営学を学ぶ「hintゼミ」では、有志メンバーがオンラインで集い、Zoom会議やFaceookグループを通じて「ポストコロナの組織のあり方」を考えています。 とても興味深い意見が集まっており、同じ問題意識を持った多くの方々にもお伝えする意味を感じました。中間報告ではありますが、60ページほどの内容になったので、こちらにシェアさせていただきます。 このレポートは、オフィスワーカーが多くを占める「hintゼミメンバー」の知見を集めたものではありますが、身を挺して働いてくださるエッセンシャル・ワーカーのみなさま − 医療に従事されてしらっしゃる方、モノの流通を支えていらっしゃる方、小売店で人々の生活を支えてくださる方、ゴミ収集などを通じて都市機能を支えてくださる方など − に心からの感謝と敬意を表し、編集させていただきました。 また、時間管理のために、リモートワークに対応されずに苦しまれている非正規雇用の方々も多くいらっしゃることを知っていただき、事態がすこしでも改善に向かう一助になればと感じています。 なお、このレポートは こちらからダウンロード していただけます。まだ中間報告のレベルではありますが、ご参考になるところがあれぱ、どうぞご自由にお使いくださいませ。 長くお世話になった学習院大学ですが、一年延期いただいた客員教授契約も今年度で満了。昨日が最後の講義でした。 僕の人生を変えてくれた若者たちを前に、最後の授業では「自分自身の人生」を語りました。 フレックスファーム、ループス、学習院。それぞれの経験は、今振り返ると3つのドットとなり、僕という人間をカタチづくってくれました。今、僕がなぜここから「幸せ視点の経営学」を語っているのか、その原点を知ってもらえたらうれしいなと思ってつくった講義スライドです。 講義中に、特に学習院のお話しあたりがエモくて、ちょっと言葉に詰まりそうになって、内心焦ったりしてました。たぶん気づかれなかったと思うけど😅 受講者だけでなく、dotメンバーもいっぱい駆けつけてくれて、たぶん400名近い若者にお話しでき、最後は大きな拍手までもらいました。コメントシートにもすごい熱いメッセージが寄せられて、お手紙とか、お花とかももらったりして、感無量の一日でした。 いろんなことがあったけど、僕は最後まで「学習院ラブ」でした。 みんな、ほんとにありがとう。 dotのメンバーはこれからもよろしく。 ワクワク感を心に、「ハッピー・イノベーション」で世界に花を咲かせようね! なお、この講義スライドは、こちらのページ からダウンロードできます。 企業経営とトップマネジメントの後期は「リーダーシップ」を学ぶ講義。学生のリアルな「組織に関する悩み」をシェアし、受講者全員で問題解決をしていきます。 ① 毎回一人の学生に登壇してもらい、リアルなリーダーの悩みを話してもらう ② 受講生370名が、その悩みを解決するアイデアを考える ③ 途中で、僕から考えるためのヒントをお話する ④ 学生が解決アイデアをLINEグループに投稿する ⑤ その投稿を見ながら、登壇学生が「アクションしたいアイデア」を決める ⑥ アクションした結果を登壇して発表する 今回のスライドは後半4回分の講義 (問題を解決する 〜 循環をつくる)の内容をひとつのスライドにまとめてものです。学生の悩みとアクションプランをまとめたあとに、僕からのヒントをいくつか提示してます。 なお、この講義スライドは こちらのページ からダウンロードできます。 「企業経営とトップマネジメント」の「後期 リーダーシップ講義 その2」です。 学習院大学の客員教授に就任して、はや4年近くになりました。 僕は新しい事業を起こす「起業家」という仕事を30年近くしてきたので、それに「最新理論」をかけあわせた講義をはじめたら、学生たちが面白がって「自主ゼミ」をつくってくれました。 学生たちは、新しい視点でどんどんサービスを考え「プロトタイプ」にしていきます。はじまりは単なる思いつきでも、チームで試行錯誤して、利用者にインタビューするうちに、思い入れが増してきます。 目標は「ビジネスコンテスト」、いくつか賞もいただきました。でも、それではホントに大切なことは学べない。小規模に事業を起こして、小さな失敗から学び、大きく成長していく。その循環をつくり、学びの価値を違う次元にひきあげたい。まもなく契約満了で大学を退任する僕にとって、この突破口をつくることは、学生たちにバトンを引き継ぐための最後の大仕事でした。 東京発「イノベーション創出の起点」をつくるという、大きな志を持たれた「BASE Q」光村圭一郎さんのご協力も得て、悲願の「事業アイデアが孵化されるプラットフォーム」の MVP(最小機能製品) を世に出すところまで、ようやくこぎつくことができました😂 このプラットフォームには4つの特徴があります。 ① 新事業を科学的につくる、最新のイノベーション・メソッドがある ② 価値観とメソッドを共有した、高い志を持つイノベーション・コミュニティがある ③ 品質基準(PSFレベル)をクリアした事業アイデアを発表する場がある ④ 手をあげた企業、発案者、メンター三者で、投資可能な事業に育てる仕組みを持つ ①に関しては、hintフレームワーク、リーンスタートアップ、ジョブ理論、ビジネスモデルキャンバスなどを組み合わせたメソッドをベースに、PSF(問題解決フィット)を達成するシステムができあがっています。詳しくは こちら をご覧ください。 ②に関しては、学生組織「チームdot」 に、社会人組織「hintゼミ」 が加わり、総勢で200名近い緊密なコミュニティが形成されています。そしてこのチームは年々広がってゆきます。 ③に関しては、BASE Q の協力を得て、12/18, 3/24と連続して大規模なイベントを開催します。 ④に関しては、新しい着眼点で「PMFスタジオ」という、新事業の孵化システムを企画しています。 僕はこれまで、友人から「リアルしくじり先生」と茶化されるほど いろんな失敗 を重ね、何度も熱いヤカンに触って火傷をしながら生きてきました。 これまでは「人並み外れた思いを持つ起業家」が核となり、高くそびえる壁を突破していくという起業プロセスが一般的でしたが、科学的なアプローチにより、もっとフランクで気軽な「新しい起業スタイル」をつくることが、とても大切だと思っています。 社会人でも学生でも、遊び感覚でアイデアを発想し、この指止まれで共感したメンバーを集め、科学的なプロセスで事業のコアを開発し、経営資源を持つ企業とコラボしていく。必ずしもメガを目指す必要はない。むしろ、スモールでハッピーなイノベーションが無数に生まれて、それに関わるすべての人が幸せになる世界が広がるきっかけになりたい。これは僕の信念でもあります。 ようやくそれを実現する場ができた。できる未来が見えてきた。うれしい。がんばる。 そんな思いを込めて、12月18日夜に、この壮大な仕組みのプロトタイプをお披露目します。 ご興味ある方は、ぜひ、こちらをクリックしてみてください。 ミレニアル世代が開発した「新規事業アイデア」オークション https://innovationteamdott.peatix.com/ 興味を持っていただくための派手なコピーはご愛嬌だと思ってください。 まだ初回で、どっちに転ぶかわからないイベントではありますが、僕たち主催者はめちゃめちゃ本気だし、学生も社会人いずれも、僕の目から見てかなりチャーミングな、しかもPSFレベルをクリアしてビジネスプランが10プロジェクト以上も登場します。 なお、実際にはこの場でオークションをするわけではありません。アンケートで興味を持ったプロジェクトがあればチェックしてもらえれば、こちらからコンタクトし、どんなカタチで進めていくのがベストか、相談しながら進めていくイメージです。 それに、発表会のあとには「チームdot」や「hintゼミ」のメンバーも参加する懇親会がありますので、その人たちとお話したいという方も大歓迎です。 こんな方、特におすすめです。このプラットフォームを育てるのに手を貸してください! ・新規事業のタネがほしい ・新規事業のプラットフォームづくりでコラボしたい ・イノベーションを生み出す社会人や大学生とお話ししてみたい イベントの最後には、軽い懇親会もあります。僕にもぜひお気軽にお声がけください。 ご挨拶させていただき、どんなコラボが可能かなどをお話させてください! では、またのちほど。 関連記事 ・イノベーションチームdotについて ・hintゼミについて スタートアップを疑似体験する「起業論2」 前回の講義では、自分が理想とする「ティール組織」の仕組みについて考えてみました。今回は続編として「ティール組織」の働き方についてグループワークをしてみました。 ポイントは「ティール組織」においては「社員が動くエネルギー源が、完全なる内発的な動機づけ」であるということです。では、どんな働き方であれば、指示されることなしで、みんなが自発的に動き出し、協力しあい、仕事を完成させていくのでしょうか? 今回は3つの問いをもとに、グループでワークしました。
バイトとしてしか働いた経験のない学生たちが、自分たちの経験や想像の中で考えたことなので、社会人から見たら浅い議論と思われるかもしれません。 ただ、僕は社会に出る前、ビジネスの常識を見につけてしまう前に、こういう本質的な内容を真剣に考え、話し合い、自分なりの結論を出していくことが、これからの人生においてとても大切な経験、気づきにつながるんだろうと考えています。 2019起業論2の講義ブログはこちらです。 06. ティール組織の仕組みを考える 05. どういう組織を目指すのか? 04. 顧客の理想体験を考える 03. 顧客のジョブを考える 02. はじめの一歩 01. 起業の世界へ、ようこそ スタートアップを疑似体験する「起業論2」 前回の講義で「達成型組織」「多元型組織」「ティール組織」それぞれの組織について、いいところと悪いところを振り返り、その上で理想のティール組織について考えてみました。 「ティール組織」が他の組織とまったく異なるのは「社員が動くエネルギー源が、完全なる内発的な動機づけ」であるということ。簡単にいうと「しなくちゃいけない」ことはなく「したい」だけで動く組織像です。 どうすれば、みんなが自発的に発想し、企画し、協力しながら動き出すのでしょうか? この思想なくして、いくら「ティール組織」の構造を議論しても意味はありません。 さて今回は、株式会社イーゼルをどのようなティール組織にしていくか、具体的な会社の仕組みについて、次の4つの問いをもとに、グループでワークしました。
実際にビジネス界にはほとんど存在しないため、想像しにくい「ティール組織」だけど、学生組織「イノベーションチームdot」および「株式会社dot」は、160名の組織でありながら、このティール組織の思想をほぼ実現している稀有のチームです。ティール組織がどんなものか、体感したい人はぜひ声かけてね。 では次回、さらに「ティール組織」における働き方を設計してみよう。 2019起業論2の講義ブログはこちらです。 05. とういう組織を目指すのか? 04. 顧客の理想体験を考える 03. 顧客のジョブを考える 02. はじめの一歩 01. 起業の世界へ、ようこそ スタートアップを疑似体験する「起業論2」も後半に入ります。 スタートアップ時期の売れる仕組みづくりを終えた株式会社イーゼルは、企業としてのカタチを考える時期になりました。 どんな会社を目指すべきなのか。主人公は、パパ、叔父、兄貴、三人のアドバイスをもとに考えてゆきます。この講義では「ティール組織」の3つの組織形態「達成型組織」「多元型組織」「ティール組織」それぞれについて、以下の3つの質問を考えながら、各チームの理想の組織を探ってゆきました。
来週は、もう少し理想の組織に関して掘り下げをしていきましょう。 2019起業論2の講義ブログはこちらです。 04. 顧客の理想体験を考える 03. 顧客のジョブを考える 02. はじめの一歩 01. 起業の世界へ、ようこそ 企業経営とトップマネジメントの後期は「リーダーシップ」を学ぶ講義となります。毎回、学生のリアルな「組織に関する悩み」をシェアしてもらい、受講者全員で問題解決をするという内容です。流れは以下のとおりです。 ① 毎回一人の学生に登壇してもらい、リアルなリーダーの悩みを話してもらう ② 受講生370名が、その悩みを解決するアイデアを考える ③ 途中で、僕から考えるためのヒントをお話する ④ 学生が解決アイデアをLINEグループに投稿する ⑤ その投稿を見ながら、登壇学生が「アクションしたいアイデア」を決める ⑥ アクションした結果を登壇して発表する 今回のスライドは前半4回分の講義 (意味を共有する 〜 動機づける)の内容をひとつのスライドにまとめてものです。とりあげた学生の悩みは、典型的なリーダーシップのジレンマで、社会人とも共通するものですね。 スライド前半は「意味を共有する」、スライド後半は「動機づける」のチャートで、学生の悩みとアクションプランをまとめたあとに、僕からのヒントをいくつか提示してます。 ちなみに講義の最後にある動画は、僕が最も敬愛する経営者、本田宗一郎の素顔がわかるもの。もう何回見ても、痛快すぎて見飽きません。間違ったことを言わないよう慎重に発言するリーダーが増えている中、素顔をさらけ出す本田宗一郎の魅力は、より際立っているように感じます。 みなさんもぜひご覧ください! ちなみにこれは一部の抜粋版。1時間近いノーカット版はこちらです。 1982年 本田宗一郎 講演『行政改革』 https://www.youtube.com/watch?v=8gXajczE5sw なお、この講義スライドは こちらのページ からダウンロードできます。 「企業経営とトップマネジメント」の「後期 リーダーシップ講義 その1」です。 コメントシートにかかれた学生の質問への回答集、第二弾。 組織や人間関係、それに恋愛の悩み編。 講義が「企業経営やソーシャルキャピタル」なこともあり、組織や人間関係の質問は、就活と並んで一番多かったです。こちらのスライドは、それらをまとめて再編集したものです。 僕は若いころは、ほんとに悩んでばっかりだったなあ、と思いつつ、長い経験から何かプラスになることがあれば伝えたいと思い、学生のリアルで切実な悩みに回答してみました。 ちなみに、前回の相談室はこちらです。 ・[とんとん悩み相談室] 一番切実。就活の悩み編 なお、このコンテンツは、Downloadページ からダウンロードも可能です。 また「Z世代に関する情報」については こちらのベージ にまとめています。 ・Z世代の世界へ、ようこそ |
著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
12 月 2020
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