2018年7月5日 「企業経営とトップマネジメント」第12回 組織の進化を学ぼう
トップマネジメント講座、前期の最後は、組織の進化を新しい視点で俯瞰した「ティール組織」の考え方を、2回にわけてお話します。今回はその一回目。 ティール組織という概念は、マッキンゼー出身のフレデリック・ラルー氏によって2014年に執筆された『Reinventing Organizations』(日本では2018年に『ティール組織』として出版、一部で話題を呼んでいる) が提唱したもので、人類の発達にともなって進化した組織の変遷を5つのカラーで体系化しています。 ・レッド 〜 衝動型組織 (マフィア、ギャング、部族の民兵) ボスが野望を実現するためにつくった組織。暴力を使って、恐怖で支配する ・アンバー 〜 順応型組織 (軍隊、カソリック教会、行政機関、公立学校) 階級とルールが極めて厳格なピラミッド組織で、定形業務の繰り返しを得意とする ・オレンジ 〜 達成型組織 (多国籍企業をはじめとする大企業) 利益と拡大のために、徹底した実力主義で、アメとムチにより統制する ・グリーン 〜 多元型組織 (文化重視、理念重視の非上場企業) 家族的で、価値観や文化を大切にし、成果より人間関係を重視する ・ティール 〜 進化形組織 (マネジメントの常識を覆す次世代型組織) セルフマネジメントと全体性を特徴として併せ持ち、組織として進化し続ける ちなみにティールとは青緑色、このカラーはケン・ウィルバー氏が提唱した「インテグラル理論」における意識のスペクトラムをベースにしたもので、今回の講義ではレッドからグリーンまでを辿っています。 また、授業の最後には『なぜ弱さを見せあえる組織は強いのか』を著したハーバード大学ロバート・キーガン教授による「大人の知性発達ステージ」についても言及しました。組織の進化はリーダーの進化とほぼ完全に同期するからです。 最後に、講義内で使用した動画も紹介しておきますね。 人類誕生CG 〜 240万年前の人類のライバルはハイエナ? https://www.youtube.com/watch?v=_RauDD0mQS4&t=5s Lean and Agile Adoption with the Laloux Culture Model https://www.youtube.com/watch?v=g0Jc5aAJu9g さて、来週はこの話の本丸、「ティール組織」について、事例もあわせて詳しく取り上げてゆきます。また来週ね! 「企業経営とトップマネジメント」講義は こちら 11. 未来型の組織を研究しよう 10. マネジメントの視点を広げてみよう 07-09. CSVワークショップ 06. ソーシャルシフト 〜 透明な時代の経営改革 05. 数字か、人か (2000年 〜) 04. 数字か、人か (1970年 〜) 03. 数字か、人か (1930年 〜) 02. 経営学の源流を学ぼう 01. 楽しみながら経営を学ぼう
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著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
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