学習院大学の客員教授に就任して、はや4年近くになりました。 僕は新しい事業を起こす「起業家」という仕事を30年近くしてきたので、それに「最新理論」をかけあわせた講義をはじめたら、学生たちが面白がって「自主ゼミ」をつくってくれました。 学生たちは、新しい視点でどんどんサービスを考え「プロトタイプ」にしていきます。はじまりは単なる思いつきでも、チームで試行錯誤して、利用者にインタビューするうちに、思い入れが増してきます。 目標は「ビジネスコンテスト」、いくつか賞もいただきました。でも、それではホントに大切なことは学べない。小規模に事業を起こして、小さな失敗から学び、大きく成長していく。その循環をつくり、学びの価値を違う次元にひきあげたい。まもなく契約満了で大学を退任する僕にとって、この突破口をつくることは、学生たちにバトンを引き継ぐための最後の大仕事でした。 東京発「イノベーション創出の起点」をつくるという、大きな志を持たれた「BASE Q」光村圭一郎さんのご協力も得て、悲願の「事業アイデアが孵化されるプラットフォーム」の MVP(最小機能製品) を世に出すところまで、ようやくこぎつくことができました😂 このプラットフォームには4つの特徴があります。 ① 新事業を科学的につくる、最新のイノベーション・メソッドがある ② 価値観とメソッドを共有した、高い志を持つイノベーション・コミュニティがある ③ 品質基準(PSFレベル)をクリアした事業アイデアを発表する場がある ④ 手をあげた企業、発案者、メンター三者で、投資可能な事業に育てる仕組みを持つ ①に関しては、hintフレームワーク、リーンスタートアップ、ジョブ理論、ビジネスモデルキャンバスなどを組み合わせたメソッドをベースに、PSF(問題解決フィット)を達成するシステムができあがっています。詳しくは こちら をご覧ください。 ②に関しては、学生組織「チームdot」 に、社会人組織「hintゼミ」 が加わり、総勢で200名近い緊密なコミュニティが形成されています。そしてこのチームは年々広がってゆきます。 ③に関しては、BASE Q の協力を得て、12/18, 3/24と連続して大規模なイベントを開催します。 ④に関しては、新しい着眼点で「PMFスタジオ」という、新事業の孵化システムを企画しています。 僕はこれまで、友人から「リアルしくじり先生」と茶化されるほど いろんな失敗 を重ね、何度も熱いヤカンに触って火傷をしながら生きてきました。 これまでは「人並み外れた思いを持つ起業家」が核となり、高くそびえる壁を突破していくという起業プロセスが一般的でしたが、科学的なアプローチにより、もっとフランクで気軽な「新しい起業スタイル」をつくることが、とても大切だと思っています。 社会人でも学生でも、遊び感覚でアイデアを発想し、この指止まれで共感したメンバーを集め、科学的なプロセスで事業のコアを開発し、経営資源を持つ企業とコラボしていく。必ずしもメガを目指す必要はない。むしろ、スモールでハッピーなイノベーションが無数に生まれて、それに関わるすべての人が幸せになる世界が広がるきっかけになりたい。これは僕の信念でもあります。 ようやくそれを実現する場ができた。できる未来が見えてきた。うれしい。がんばる。 そんな思いを込めて、12月18日夜に、この壮大な仕組みのプロトタイプをお披露目します。 ご興味ある方は、ぜひ、こちらをクリックしてみてください。 ミレニアル世代が開発した「新規事業アイデア」オークション https://innovationteamdott.peatix.com/ 興味を持っていただくための派手なコピーはご愛嬌だと思ってください。 まだ初回で、どっちに転ぶかわからないイベントではありますが、僕たち主催者はめちゃめちゃ本気だし、学生も社会人いずれも、僕の目から見てかなりチャーミングな、しかもPSFレベルをクリアしてビジネスプランが10プロジェクト以上も登場します。 なお、実際にはこの場でオークションをするわけではありません。アンケートで興味を持ったプロジェクトがあればチェックしてもらえれば、こちらからコンタクトし、どんなカタチで進めていくのがベストか、相談しながら進めていくイメージです。 それに、発表会のあとには「チームdot」や「hintゼミ」のメンバーも参加する懇親会がありますので、その人たちとお話したいという方も大歓迎です。 こんな方、特におすすめです。このプラットフォームを育てるのに手を貸してください! ・新規事業のタネがほしい ・新規事業のプラットフォームづくりでコラボしたい ・イノベーションを生み出す社会人や大学生とお話ししてみたい イベントの最後には、軽い懇親会もあります。僕にもぜひお気軽にお声がけください。 ご挨拶させていただき、どんなコラボが可能かなどをお話させてください! では、またのちほど。 関連記事 ・イノベーションチームdotについて ・hintゼミについて
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スタートアップを疑似体験する「起業論2」 前回の講義では、自分が理想とする「ティール組織」の仕組みについて考えてみました。今回は続編として「ティール組織」の働き方についてグループワークをしてみました。 ポイントは「ティール組織」においては「社員が動くエネルギー源が、完全なる内発的な動機づけ」であるということです。では、どんな働き方であれば、指示されることなしで、みんなが自発的に動き出し、協力しあい、仕事を完成させていくのでしょうか? 今回は3つの問いをもとに、グループでワークしました。
バイトとしてしか働いた経験のない学生たちが、自分たちの経験や想像の中で考えたことなので、社会人から見たら浅い議論と思われるかもしれません。 ただ、僕は社会に出る前、ビジネスの常識を見につけてしまう前に、こういう本質的な内容を真剣に考え、話し合い、自分なりの結論を出していくことが、これからの人生においてとても大切な経験、気づきにつながるんだろうと考えています。 2019起業論2の講義ブログはこちらです。 06. ティール組織の仕組みを考える 05. どういう組織を目指すのか? 04. 顧客の理想体験を考える 03. 顧客のジョブを考える 02. はじめの一歩 01. 起業の世界へ、ようこそ スタートアップを疑似体験する「起業論2」 前回の講義で「達成型組織」「多元型組織」「ティール組織」それぞれの組織について、いいところと悪いところを振り返り、その上で理想のティール組織について考えてみました。 「ティール組織」が他の組織とまったく異なるのは「社員が動くエネルギー源が、完全なる内発的な動機づけ」であるということ。簡単にいうと「しなくちゃいけない」ことはなく「したい」だけで動く組織像です。 どうすれば、みんなが自発的に発想し、企画し、協力しながら動き出すのでしょうか? この思想なくして、いくら「ティール組織」の構造を議論しても意味はありません。 さて今回は、株式会社イーゼルをどのようなティール組織にしていくか、具体的な会社の仕組みについて、次の4つの問いをもとに、グループでワークしました。
実際にビジネス界にはほとんど存在しないため、想像しにくい「ティール組織」だけど、学生組織「イノベーションチームdot」および「株式会社dot」は、160名の組織でありながら、このティール組織の思想をほぼ実現している稀有のチームです。ティール組織がどんなものか、体感したい人はぜひ声かけてね。 では次回、さらに「ティール組織」における働き方を設計してみよう。 2019起業論2の講義ブログはこちらです。 05. とういう組織を目指すのか? 04. 顧客の理想体験を考える 03. 顧客のジョブを考える 02. はじめの一歩 01. 起業の世界へ、ようこそ スタートアップを疑似体験する「起業論2」も後半に入ります。 スタートアップ時期の売れる仕組みづくりを終えた株式会社イーゼルは、企業としてのカタチを考える時期になりました。 どんな会社を目指すべきなのか。主人公は、パパ、叔父、兄貴、三人のアドバイスをもとに考えてゆきます。この講義では「ティール組織」の3つの組織形態「達成型組織」「多元型組織」「ティール組織」それぞれについて、以下の3つの質問を考えながら、各チームの理想の組織を探ってゆきました。
来週は、もう少し理想の組織に関して掘り下げをしていきましょう。 2019起業論2の講義ブログはこちらです。 04. 顧客の理想体験を考える 03. 顧客のジョブを考える 02. はじめの一歩 01. 起業の世界へ、ようこそ |
著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
8月 2021
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