■ ダニエル・キムの成功循環モデルとは 責任感の強い有能なリーダーほど、陥ってしまう落とし穴。 「売上を求めると、売上は逃げてしまう」の法則 は大きな反響をいただきました。 商売も恋愛も同じこと。焦って結果を求めると、結果が逃げてしまうことになる。 それをわかりやすく可視化したのが ダニエル・キムが提唱した「成功循環モデル」です。 いい結果をだしたいのであれば、信頼関係を築くことから始める。すると、多様なアイデアが生まれ、コラボレーションも進む。当然、パフォーマンスにつながり、さらに人間関係がよくなる。。幸せなサイクルですね。 一方、失敗の循環はどうなるか。 実はサイクルは同じですが「起点」が異なるのです。図式化すると、こうなります。 数字(結果)をつくろうとして、リストラしたり、社員に無理をさせると、組織内に摩擦が生まれる。疑心暗鬼から保身に走り、社員同士も協力しない。結果がでないので、管理者の眉はさらに釣り上がる。沈みゆく企業にありがちな風景ですね。 ビジネスは結果がすべてである。数字をつくれる人が出世する。 そんなビジネスの常識的な考え方が、実は成果を落としているのだ。 成果至上主義に警鐘を鳴らす理論とも言えるでしょう。 ■ ちょっと待て。「成功循環モデル」はほんとうなのか? しかし、この「成功循環モデル」はほんとうに正しいのでしょうか? リアリストの経営者であれば、こういうでしょう。 「関係の質なんか高めたら、組織が馴れ合いになって、真剣な議論もできなくなるよ。そもそも指示待ちや怠ける社員はどうするんだ。厳しさがないと彼らは動かないだろう」 さらに、やり手のボスはこうも言うでしょう。 「そんなまどろっこしいことしなくても、全部いっぺんにやればいい。朝礼で理念を暗記させる。目標を明確にして、達成した人に報酬を与える。それを発表するイベントで社員が交流すればいい。効率こそが成果をあげるんだ」 確かに、そう言われてみれば、そうかもしれない。 そして、ある意味、経営者の疑問や危惧は正しい。 「成功循環モデル」は、無条件できれいに回るものはないからです。 ■ 「成功循環モデル」の背景にあるシステム思考 この「成功循環モデル」は、個々の要素だけに着目するだけでは、複雑な問題は解決できない。要素のつながりを理解することこそが大切なのだという「システム思考」に基づいた理論です。 ダニエル・キムは論文の中で、典型的な例として「成功循環モデル」を提示していますが、本当に伝えたかったことは「成果をあげる知見や技術を学んでも成果はでない。大切なのはそのつながりを理解することだ」ということ。 モテる人から「とっておきの口説きのテクニック」を伝授してもらっても、それを初対面で使ったら、確実に引かれてしまう。ものには順番というものがある。なぜなら、人には心があるからです。 「関係をよくするメソッド」「思考を高めるメソッド」「行動をよくするメソッド」「結果を高めるメソッド」などをバラバラに実践しようとしても「成果を生むための全体像、個々のつながり」が理解できていないと、成果にマイナスに働きかねない。例えば、 ・「関係の質」を高めようとして、イベントへの参加を強制する ・「思考の質」を高めようとして、朝礼によって価値観を刷り込もうとする ・「行動の質」を高めようとして、高額の報酬金と厳しいノルマを課す これらの施策は、社員の自律性を奪い、結果として「思考の質」を落としてしまいます。 ダニエル・キムが提唱した「成功のための核心」とは、心理的なつながりを考慮しない個々の施策は、社員の自律性(内発的動機)を削ぐことになり、結果的に失敗につながるということでしょう。 エドワード・デシの「自己決定理論」によると、社員は3つの欲求、①自律性 ②有能感 ③関係性 を持っており、これらが満たされると、社員は前向きになり、持てる潜在能力を発揮するとしています。 ・自律性 自分自身で選択して行動したい ・有能感 自分が有能であると感じたい ・関係性 人と理解しあい、支えあっていると感じたい では、この2つの理論を結びつけるとどうなるか。試しに図式化してみましょう。 ■ 2つの循環をつなげる技術 大切なことは、協働の循環を示す「成功循環モデル」と、個々の社員の動機を示す「自己決定理論」をいかに緊密に結びつけるか。そして、そのためにはいくつかの知見や技術が必要になるということです。 ふたつの循環を噛み合わせるための技術を図式化したものが、以下のチャートです。 「成功循環モデル」の順に、必要な技術や施策をまとめてみましょう。 ① 人間関係の質を高めるために最も大切なことは「心理的に安全な場」をつくること ② 社員が協働し、学習する組織をつくるには、その大切さを説く「価値観を共有」すること ③ 仕事から有能感や幸福感を感じるためには「フロー体験が生まれる場」をつくること ④ 自律的な思考を行動に移すには、現場社員に「権限移譲」と「情報共有」を徹底すること ⑤ 全体のつながりを理解し、個々の社員を支援する「サーバントリーダー」を育てること これらを個々に磨いても、全体のつながりが理解されていないと、他部門が実施している施策と打ち消しあって徒労に終わったり、時には現場社員の混乱を招くことにもなりかねません。 成功循環の流れを理解しながら個々を磨いていくことで、循環の質が高まり、スピードが加速するのです。また、この全体像は、トップやリーダーだけが理解するのではなく、現場社員にまで共有することが大切です。 なぜなら、人間は意味を理解して、はじめて動く生き物だからです。 個々の施策については、この記事ではカバーできませんので、以下のベージの資料をご覧ください。疑問であげた「仲が良すぎる関係の問題点」や「やる気のない社員への動機づけ」なども、資料の中に含まれています。それぞれPDFをダウンロードも可能です。 7つの資料がダウンロードできる「無料体験講座ページ」 https://www.join-the-dots.net/free-seminar001.html 【今日のまとめ】 1. 個々の要素を高める施策は、全体のつながりを理解してはじめて効果がでる。 2. 成功循環をまわすためのカギは、社員のやる気(内発的動機)を意識すること。 3. 自律性、有能感、関係性。3つの欲求を満たすことが、やる気に直結する。 4. 成功循環の質とスピートを高めるには、5つの施策がもれなく重要となる。 ■ 幸せ視点の経営学を日常に活かすシリーズ ・ 社員を管理すべきか、信頼すべきか。それが組織の分かれ道 ・ 落ち込むか、楽しむか。それが人生の分かれ道 ・「売上を求めると、売上は逃げていく」の法則
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大学で教えている経営学120時間分のエッセンスを集約した講義<全7回>。今回は、第五回目12月6日(日)10時から予定している講座「幸せと成果の輪を広げる 〜 ボトムアップで組織を革新する技術」について、その「サマリースライド」を公開したいと思います。
実際の講義はこれよりボリュームがありますが、見ていただければ、当日のおおよその流れはわかるかなと思います。 なお、この講義は「hintゼミ 経営学クラス」から抽出したもので「すごいチームのつくりかたシリーズ」の三回目にあたります。ここで、すごいチームとは「みんなが幸せで、すごい成果をあげるチーム」のこと。経営的に見れば「持続的に成果をあげる自律型組織」をいかにつくるかという視点です。 ■ すごいチームのつくりかたシリーズ A. 11月26日(木) 20:00-21:30 心理的に安全な場づくりの技術 B. 11月28日(土) 10:00-11:30 穏やかに導くリーダーシップの技術 C. 12月06日(日) 10:00-11:30 ボトムアップで組織を革新する技術 (← これです) S. 12月09日(水) 20:00-21:30 すごいチームのつくりかた総集編 講義スライドについてはぎりぎりまでアップデイトしており、セミナー当日に配布する予定です。なお「すごいチームのつくりかた」「すごい事業のつくりかた」全7回について俯瞰したい方は、こちらの記事をご覧ください。 経営学 120時間分のエッセンスを集約した講義 <全7回> を、なんと無料で公開! https://www.join-the-dots.net/blog/hint0012 11月23日現在で、約400名の方から申込みをいただいており、Zoomの枠を広げて対応させていただきます。講座の申込みは、このフォームからどうぞ。
大学で教えている経営学120時間分のエッセンスを集約した講義<全7回>。今回は、第四回目11月29日(日)10時から予定している講座「事業を成功に導く、最初の一歩 〜 最短距離で商売を繁盛させる技術」について、その「サマリースライド」を公開したいと思います。
実際の講義はこれよりボリュームがありますが、見ていただければ、当日のおおよその流れはわかるかなと思います。 なお、この講義は「hintゼミ イノベーションクラス」から抽出したもので「すごい事業のつくりかたシリーズ」の二回目にあたります。ここで、すごい事業とは「笑顔や幸せを生み、自然と売れてゆく事業」のこと。経営的に見れば「社会に貢献し、持続的に成長する事業」をいかにつくるかという視点です。 ■ すごい事業のつくりかた A. 11月27日(金) 20:00-21:30 事業アイデアの創出と企画の技術 B. 11月29日(日) 10:00-11:30 最短距離で商売を繁盛させる技術 (← これです) S. 12月11日(金) 20:00-21:30 すごい事業のつくりかた総集編 講義スライドについてはぎりぎりまでアップデイトしており、セミナー当日に配布する予定です。 なお「すごいチームのつくりかた」「すごい事業のつくりかた」全7回について俯瞰したい方は、こちらの記事をご覧ください。 経営学 120時間分のエッセンスを集約した講義 <全7回> を、なんと無料で公開! https://www.join-the-dots.net/blog/hint0012 11月23日現在で、約400名の方から申込みをいただいており、Zoomの枠を広げて対応させていただきます。講座の申込みは、このフォームからどうぞ。
大学で教えている経営学120時間分のエッセンスを集約した講義<全7回>。今回は、第三回目11月28日(土)10時から予定している講座「燃えるチームをどうつくる? 〜 穏やかに導くリーダーシップの技術」について、その「サマリースライド」を公開したいと思います。
実際の講義はこれよりボリュームがありますが、見ていただければ、当日のおおよその流れはわかるかなと思います。 なお、この講義は「hintゼミ 経営学クラス」から抽出したもので「すごいチームのつくりかたシリーズ」の二回目にあたります。ここで、すごいチームとは「みんなが幸せで、すごい成果をあげるチーム」のこと。経営的に見れば「持続的に成果をあげる自律型組織」をいかにつくるかという視点です。 ■ すごいチームのつくりかたシリーズ A. 11月26日(木) 20:00-21:30 心理的に安全な場づくりの技術 B. 11月28日(土) 10:00-11:30 穏やかに導くリーダーシップの技術 (← これです) C. 12月06日(日) 10:00-11:30 ボトムアップで組織を革新する技術 S. 12月09日(水) 20:00-21:30 すごいチームのつくりかた総集編 講義スライドについてはぎりぎりまでアップデイトしており、セミナー当日に配布する予定です。なお「すごいチームのつくりかた」「すごい事業のつくりかた」全7回について俯瞰したい方は、こちらの記事をご覧ください。 経営学 120時間分のエッセンスを集約した講義 <全7回> を、なんと無料で公開! https://www.join-the-dots.net/blog/hint0012 11月21日現在で、約370名の方から申込みをいただいており、Zoomの枠を広げて対応させていただきます。講座の申込みは、このフォームからどうぞ。
大学で教えている経営学120時間分のエッセンスを集約した講義<全7回>、おかげさまで大変好評をいただいており、めちゃうれしいです。
今回は、第二回目11月27日20時から予定している事業講座「新事業のアイデア、どうつくる? 〜 事業アイデアの創出と企画の技術」について、その「サマリースライド」を公開したいと思います。 実際の講義はこれよりボリュームがありますが、見ていただければ、当日のおおよその流れはわかるかなと思います。 なお、この講義は「hintゼミ イノベーションクラス」から抽出したもので「すごい事業のつくりかたシリーズ」の初回にあたります。ここで、すごい事業とは「笑顔や幸せを生み、自然と売れてゆく事業」のこと。経営的に見れば「社会に貢献し、持続的に成長する事業」をいかにつくるかという視点です。 ■ すごい事業のつくりかた A. 11月27日(金) 20:00-21:30 事業アイデアの創出と企画の技術 (← これです) B. 11月29日(日) 10:00-11:30 最短距離で商売を繁盛させる技術 S. 12月11日(金) 20:00-21:30 すごい事業のつくりかた総集編 講義スライドについてはぎりぎりまでアップデイトしており、セミナー当日に配布する予定です。 なお「すごいチームのつくりかた」「すごい事業のつくりかた」全7回について俯瞰したい方は、こちらの記事をご覧ください。 経営学 120時間分のエッセンスを集約した講義 <全7回> を、なんと無料で公開! https://www.join-the-dots.net/blog/hint0012 11月19日現在で、約320名の方から申込みをいただいており、Zoomの枠を広げて対応させていただきます。講座の申込みは、このフォームからどうぞ。
大学で教えている経営学120時間分のエッセンスを集約した講義<全7回>、おかげさまで大変好評をいただいており、創作意欲を掻き立てられてます。がんばります。
初回11月26日20時から予定している初回講座「みんなが本音で話している 〜 心理的に安全な場づくりの技術」について、おおよその講義内容ができてきたので、その「サマリースライド」を公開します。 実際の講義はこれよりボリュームがありますが、見ていただければ、当日のおおよその流れはお伝えできるかなと思います。 なお、この講義は「hintゼミ 経営学クラス」から抽出したもので「すごいチームのつくりかたシリーズ」の初回にあたります。ここで、すごいチームとは「みんなが幸せで、すごい成果をあげるチーム」のこと。経営的に見れば「持続的に成果をあげる自律型組織」をいかにつくるかという視点です。 ■ すごいチームのつくりかたシリーズ A. 11月26日(木) 20:00-21:30 心理的に安全な場づくりの技術 (← これです) B. 11月28日(土) 10:00-11:30 穏やかに導くリーダーシップの技術 C. 12月06日(日) 10:00-11:30 ボトムアップで組織を革新する技術 S. 12月09日(水) 20:00-21:30 すごいチームのつくりかた総集編 いま、講義スライドを作成している最中で、順次ブログでご紹介していきます。講義スライドについてはぎりぎりまでアップデイトしており、セミナー当日に配布する予定です。 なお「すごいチームのつくりかた」「すごい事業のつくりかた」全7回について俯瞰したい方は、こちらの記事をご覧ください。 経営学 120時間分のエッセンスを集約した講義 <全7回> を、なんと無料で公開! https://www.join-the-dots.net/blog/hint0012 11月18日現在で、約250名の方から申込みをいただいており、Zoomの枠を広げて対応させていただきます。講座の申込みは、このフォームからどうぞ。
学習院大学、ビシネスブレークスルー大学、hintゼミでお話しているビジネス講座のエッセンスを集約。全7回の「hintゼミ無料体験講座」を開催します。ひとつひとつの講座が完結していますので、ご興味ある講座をピックアップして受講ください。
なお、各講座とも先着50名とさせていただく予定です。 興味があり、ぜひ出席したい!と感じる講座をご選択いただけると幸いです。 複数講座の選択も可能です。 ■ すごいチームのつくりかた A. 11月26日(木) 20:00-21:30 心理的に安全な場づくりの技術 B. 11月28日(土) 10:00-11:30 穏やかに導くリーダーシップの技術 C. 12月06日(日) 10:00-11:30 ボトムアップで組織を革新する技術 S. 12月09日(水) 20:00-21:30 すごいチームのつくりかた総集編 「すごいチーム」シリーズ全4回は「hintゼミ 経営学クラス」で学ぶ内容から抽出した講義です。すごいチームとは「みんなが幸せで、すごい成果をあげるチーム」のこと。経営的に見れば「持続的に成果をあげる自律型組織」をいかにつくるかという内容。 約三十年の経営者経験に加えて、イノベーションチームdot、hintコミュニティなど、先進的なティール組織運営のノウハウをぎゅっとパッケージした講座になってます。また、各回とも完結しており、クオリティの高さは保証します。 今、ちょうど講義スライドを作成している最中ですので、内容はお披露目できませんが、順次ブログでご紹介していく予定です。おおまかなところは「hintゼミ 経営学クラス」をご参照くださいね。
■ すごい事業のつくりかた
A. 11月27日(金) 20:00-21:30 事業アイデアの創出と企画の技術 B. 11月29日(日) 10:00-11:30 最短距離で商売を繁盛させる技術 S. 12月11日(金) 20:00-21:30 すごい事業のつくりかた総集編 すごい事業シリーズ全3回は「hintゼミ イノベーションクラス」で学ぶ内容から抽出した講義です。すごい事業とは「笑顔や幸せを生み、自然と売れてゆく事業」のこと。経営的に見れば「社会に貢献し、持続的に成長する事業」をいかにつくるかという内容。 僕は生まれも育ちも起業家ですので、机上の空論は苦手だし、あまり興味がありません。明日から使える知恵や技術、非常に実践的なヒントが、ぎゅっと凝縮された内容になっています。こちらも各回とも完結しており、クオリティの高さは保証します。 講義スライドは作成中で、順次お披露目していきますが、おおまかな内容を知りたい方は「hintゼミ イノベーションクラス」をご参照くださいね。 それぞれの講座内で、参加していただいた方に「講義資料のPDF」をお配りする予定です。 では、またZoomでお会いできるのを楽しみにしてますね! 追記) ひとつお知らせです。先着50名としていましたが、申込み多数のためにいったん人数制限をはずし、上限と判断した場合は募集を締め切らせていただくカタチに移行させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 昨日、hintゼミの大きなイベント「5期卒業式」と「6期入学式」を開催しました! ゼミの5期と6期あわせ、総勢130名を超える方々が集まったZoomイベントは、ゼミ卒業生40名余が参加するチーム「ティールズ」による手作りのもの。とってもあったかい雰囲気の会になりました。ティールズすごい😭 そこで、参加したゼミ生のみなさんにお知らせしたのが「hintアカデミー」という学びの場の創設です。メンバーはhintゼミの1期生から6期生(現役)、それに支援チーム。価値観と知見を共有した約300名が集う、生涯を通じた学び場、無償のラーニング・コミュニティです。 その思いの原点となった「hintアカデミー構想」の企画書、はじめてお披露目します。 [資料をダウンロードしたい方は「みんなの図書館」でどうぞ] 2016年に創設した「ソーシャルシフトラボ」で思いの種ができ、学習院大学とチームdotで実践を通じて構想が熟成され、北欧にある人生のための学校「フォルケホイスコーレ」からインスピレーションも得て、客員教授契約が満了する2019年夏に、人生をかけたライフワーク構想「hintアカデミープロジェクト」としてまとめたものです。 最初に相談したのは、hintの名付け親でもある盟友、さとなおでした。その時の彼のアドバイスはとても的確だったことを覚えています。まずは「hintゼミ」というパッケージからはじめる。顧客満足が高ければ、ファンベースで広がり、自然とラーニングコミュニティが形成されるだろう。ゆくゆくは一緒にやりたいね。みたいな話をし、そこから始めたのが、2019年10月に開講した「hintゼミ 第二期」でした。ここで、4thの方々を中心にすごい濃いメンバーが集まっていたたき、構想の第一歩を踏み出せたのです。 当初は夢物語のような企画でしたが、その後も「hintゼミ」でご一緒したみなさんと、一日一日を真剣に磨いてこれたおかげで、ようやく学びの理想郷のようなコミュニティがカタチづくられてきました。感無量の思いです。 ここからは、ほぼ同じビジョンを描く「イノベーションチームdot」とも交流を深め、このラーニング・コミュニティを、かけがえのない場所にするために全力を投入していきます。 そして、時がくれば、きっと自然に「機会に恵まれない人たちにも、価値ある学びを無償で届けられる場」に進化していくんじゃないかな。それも僕が中心になるのではなく、hintゼミを卒業した方々、みんなのチカラが結集されて。みたいなところまで、なにか確信に近いような希望を持てるようになりました。 機会にめぐまれない方に、とても価値の高い、実践的な学びの場を提供する。学ぶだけでなく、そこにいるだけで安心できる、自分の居場所と感じられるコミュニティをひろげていく。こんな構想にご興味持つ方、ご一緒できそうな方、いらっしゃれば、遠慮なく 斉藤 あてにご連絡くださいね。いつでもお待ちしています。 さて、長くなりましたが、今日から「hintゼミ第6期」および「hintアカデミー」がスタートします。それぞれ、めちゃ充実させたいと気合十分なので、みなさま、ここからの三ヶ月も、どうぞよろしくお願いします!
幸せ視点の経営学とイノベーションを学ぶ、社会人向けオンライン講座「hintゼミ」をエッセンスをまとめた、できたけのホヤホヤの最新資料をふたつ公開します。PDFですので、クリックするとダウンロードも可能です。
ひとつめは「イノベーションクラス」のエッセンスをまとめた「すごい事業のつくりかた」講座。ゼロから事業アイデアを発想するメソッドから始まり、新しい事業を最短距離で立ち上げるためのメソッドを満載した、100ページほどの講義資料です。やはり動画がいくつか含まれてるので、体験したい方はZoom講演へどうぞ。 ふたつめは「経営学クラス」のエッセンスをまとめた「すごいチームのつくりかた」講座。ソーシャルキャピタルのエッセンスや、心理的安全性の高い場のつくりかたなどの知見を満載した、120ページほどの講義資料です。動画がいくつか含まれてるので、すべて体験したい方は、下記のZoom講演にお申し込みください。 また「みんなの図書館」には、関連したダウンロード可能な資料を数多く収納していますので、あわせてご覧ください。 さらに、この資料をより深く理解するための 無料Zoom講座 (hintゼミ無料体験講座) も用意しました。12日と14日はすでに告知済みで、現在それぞれ、定員(90名)に対して6割ほど申込みをいただいてますので、新たに21日と22日の2回分を追加開催 (定員90名) しようと思います。 ご興味ある方は、以下のフォームから申込みください。申込みの翌日には、斉藤からZoom URLをお送りします。講座といっても、とってもリラックスしたムードでお話しますのでお気軽にどうぞ。Zoom越しに、いろいろお話できるのを楽しみにしてます! (注) 申し込みが集中しているためか、Googleフォームが動作しないケースもでているようです。①申し込みできない方、②申し込みしても翌日までにメール連絡が届かない方、については、 斉藤まで直接メールでご連絡 いただければと思います。できるだけ速やかに確認し、ご返答させていただきます。 新型コロナがもたらした影響は、ビジネスにおいても甚大で、多様な範囲におよんでいます。今日はそのうち、組織内に起きる意識変革について考えてみましょう。 コロナ禍が組織に及ぼした、最大のパラダイムシフトはなにか? それは「コミュニケーション」のあり方を根本から変えたことです。これまで当たり前だったこと ― 会社に通勤し、オフィスで働き、会議室で打ち合わせし、時間になると帰宅する − が当たり前ではなくなったことで、仕事をするためのコミュニケーションに劇的な変化が起こりました。 この打ち合わせ、オンラインでいいかな?それともリアルに会う? これまでは考えもしなかったことを考える習慣ができたことで、私たちは仕事を「反応的」ではなく「主体的」にとらえるようになりました。その結果、私たちは「自分で考えたベストだと思う場所、交流の仕方で仕事をしたい」と思うようになったのです。 ではこの状況は、管理者の目にはどう映るでしょう? それは、組織や管理者個人が持つ価値観によって大きくことなってくるでしょう。大きく3つにわかれると僕は考えています。 ■ 以前の状態に戻したい ▲ ツールとしてテクノロジーを活用する ● 変化の本質に気づき、組織を革新する この3つの考え方を図にあらわすと、このようになります。 今、新型コロナは、あらゆる組織に変革を求めており、いうなれば「組織の学習能力」を問うているのです。では、この3つの選択肢について、もう少し詳しく見ていきましょう。 ■ 選択肢その1 管理主義 [元にもどる派] 管理主義の背景にあるのは「目をはなすと社員はサボるものだ。厳しく管理しないといけない」という価値観です。経営学でいうと、ダグラス・マクレガーが提唱した「X理論」、社員を性悪説で捉える考え方です。 そのため、仕事は管理者の目の届くところでするものであり、リアル勤務が基本。オンラインの場合は、会社が支給したPCで仕事をすることを義務づけ、PCの利用状況を把握する、といった管理システムを導入します。 この考え方は、コロナ禍で社員に芽生えた自律性を殺してしまいます。それが当たり前だった時代はともかく、ポストコロナで管理主義をとることは、離職の誘発、やる気の減退につながる危険性があることを覚悟する必要があります。生産性にもプラスにならないと予想します。(在宅ワークのむずかしいエッセンシャルワークにはこの考察は当てはまりません) メリット:社員の行動を完全に把握・管理できる。サボりを防止できる デメリット:社員の主体性を削ぐ。やる気が減退する。会社と社員の信頼関係が毀損する ▲ 選択肢その2 新管理主義 [成果を測る派] 新管理主義の背景にあるのは、管理主義と近い価値観です。「目をはなすと社員はサボるもの」という価値観のもとで「時間管理ができなくなったので、成果だけで管理できるようにしよう」という考え方です。やはり、マクレガーの「X理論」に基づくものですが、管理主義と違い、合理的なところが特徴です。 コロナ禍で芽生えた社員の自律性は、ある程度受け入れられます。また、既存のマネジメントシステムを大きく変える必要がないので、多くの企業に受け入れられやすい考え方です。具体的には、仕事をジョブ型に再定義し、成果を数値化する管理システムを導入します。 ただし、問題は「成果の見える化」の弊害にあります。近年の経営学では「集団的知性」「ソーシャルキャピタル」「心理的安全性」「帰属シグナル」などに注目が集まっており、チームの生産性には「見えないところ」こそ大切であることが実証されてきたからです。 メリッド:既存の経営システムや価値観を活かし、在宅勤務を促進できる デメリット:チームの生産性に悪影響を与える。チームの学習能力に悪影響を与える ● 選択肢その3 自律主義 [組織を革新する派] 自律主義の背景にあるのは、マクレガーの「Y理論」(性善説) の価値観です。「環境次第で社員は自ら責任を受け入れ、自己を成長させたいと思い、組織に貢献しようとするものだ」という価値観です。VUCAと呼ばれる複雑で先がよめない時代、正解がない時代において、社員が自律的に判断し、コラボレーションしあう考え方は実に美しい。ただし、そこには大きな盲点があることを知る必要があります。 安易に管理主義から自律主義に移行しようとすると、放任組織 ― やる気がある人、違う方向を向く人、仕事をさぼる人などの混合組織 ― になり、やる気も成果も減衰してしまうということです。 「自律主義」にも「求心力」が必要なのです。求心力があって初めて、チームは結束し、ひとつの目標に向かうことができるのです。 「管理主義」における求心力は「予算・ルール・マニュアル」であり、それを「統制型リーダー」がまとめていました。 「自律主義」においては「予算・ルール・マニュアル」を最低限として、組織の「ミッション・ビジョン・バリュー」をその上におくこと。その共有を促して社員を後方から支援する「サーヴァントリーダー」が組織をひとつの方向に導くこと。このふたつの要素があって初めて、自律型組織はイキイキと動き出すのです。 メリット:VUCAの時代に適した、学習する組織に成長できる デメリット:メンバーが自律型組織で必要な知見や技術を学ぶ必要がある おすすめのアクション もし、あなたのチームが「管理主義」「新管理主義」を導入する方針であれば、ジョブ型雇用、数値管理、成果型評価に関する書物や記事から学ぶことをおすすめします。この記事なども参考になるかと思います。 日経新聞記事「ジョブ型雇用、職務明確に 成果で評価しやすく」(2020/7/8) ただし、チームの生産性は「数値化しにくいもの」から生まれること、数値化することで数値化されないものが無視されることを意識して、いかにそれを防ぐかを考えることが大切だと思います。おすすめの書籍は、経営学の名著「学習する組織」です。 もし、あなたのチームが「自律主義」への移行を考えているのであれば、私と考え方が近いと思いますので「みんなの図書館」でぜひお調べください。膨大な資料が無料でダウンロードできるサイトです。 どこから手をつけていいかわからないという方は、無料講座「すごいチームのつくりかた」に参加することをおすすめします。自律型組織のポイントを90分で学べます。 hintゼミ無料体験講座:すごいチームのつくりかた (9/12) 【今日のまとめ】 1. コロナ禍は、組織の根幹となる「コミュニケーションのあり方」を変えた。 2. 私たちは「反応的」ではなく「主体的」な働き方を求めるようになった。 3. 組織は社員の主体性をどう受け止めるか。3つの選択肢がある。 4. 管理主義・新管理主義は、社員は管理しないと働かないという価値観に基づく 5. 自律主義は美しい理想だが、「求心力」がないと放任主義になって失敗する ■ 幸せ視点の経営学を日常に活かすシリーズ ・ 社員を管理すべきか、信頼すべきか。それが組織の分かれ道 ・ 落ち込むか、楽しむか。それが人生の分かれ道 ・「売上を求めると、売上は逃げていく」の法則 |
著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
12 月 2020
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