未来型の組織の講義。 組織の進化を新しい視点で俯瞰した「ティール組織」の考え方を、二回にわけてお話します。 今回はその一回目ね。 ティール組織という概念は、マッキンゼー出身のフレデリック・ラルー氏によって2014年に執筆された『Reinventing Organizations』(日本では2018年に『ティール組織』として出版、一部で話題を呼んでいる) が提唱したもので、人類の発達にともなって進化した組織の変遷を5つのカラーで体系化しています。 ・レッド 〜 衝動型組織 (マフィア、ギャング、部族の民兵) ボスが野望を実現するためにつくった組織。暴力を使って、恐怖で支配する ・アンバー 〜 順応型組織 (軍隊、カソリック教会、行政機関、公立学校) 階級とルールが極めて厳格なピラミッド組織で、定形業務の繰り返しを得意とする ・オレンジ 〜 達成型組織 (多国籍企業をはじめとする大企業) 利益と拡大のために、徹底した実力主義で、アメとムチにより統制する ・グリーン 〜 多元型組織 (文化重視、理念重視の非上場企業) 家族的で、価値観や文化を大切にし、成果より人間関係を重視する ・ティール 〜 進化形組織 (マネジメントの常識を覆す次世代型組織) セルフマネジメントと全体性を特徴として併せ持ち、組織として進化し続ける ちなみにティールとは青緑色、このカラーはケン・ウィルバー氏が提唱した「インテグラル理論」における意識のスペクトラムをベースにしたもので、今回の講義ではレッドからグリーンまでを辿っています。 また、授業の最後には『なぜ弱さを見せあえる組織は強いのか』を著したハーバード大学ロバート・キーガン教授による「大人の知性発達ステージ」についても言及しました。組織の進化はリーダーの進化とほぼ完全に同期するからです。 さて、来週はこの話の本丸、「ティール組織」について、事例もあわせて詳しく取り上げてゆきます。ではまた来週ね! なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 ブログ記事では「講義の生スライド」にしていますが、ダウンロード資料では、先頭の「コメントシート」や「質問」などはカットしてあり「講義内容」のみにしてあります。 2019企業経営とトップマネジメントの講義ブログはこちらです。 11. 未来の組織 〜 ホラクラシーとDAO 10. 未来の組織 〜 モーニングスター、セムコ、ゴア 9. 学習する組織 (個人と組織の意思の育成) 8. 学習する組織 (システム思考とメンタルモデル) 7. SDGsとCSVを学ぶワークショップ 6. ソーシャルシフト 5. 数字を見るか、人に見るか (2000-2019) 4. 数字を見るか、人を見るか (1970-1990) 3. 数字を見るか、人を見るか (1930-1960) 2. 経営学の源流を知ろう 1. オリエンテーション
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ソーシャルキャピタルの講義も佳境に入りました。 ここから二回の講義は、僕が学習院に来て一番伝えたかったことです。 環境問題や社会問題、今、世界が抱えている社会的なジレンマを解決するために、どうすればいいのか。ひとつのキーとなるのが「ソーシャルキャピタル」です。人々が信頼しあい、お互いさまのネットワークを広げてゆくことで、世界はよりよくなってゆきます。 授業の中では、ふたつの有名なTED動画を紹介しました。 特にダニエル・ピンクの「やる気に関する驚きの科学」は講義では一部しか紹介できてないので、興味ある人はぜひこちらで全編をみてください。 ダニエル・ピンク「やる気に関する驚きの科学」 https://www.ted.com/talks/dan_pink_on_motivation?language=ja デレク・シヴァーズ「社会運動はどうやって起こすか」 https://www.ted.com/talks/derek_sivers_how_to_start_a_movement?language=ja 抽象論ではなく、科学的なメッセージとして。 ソーシャルキャピタル、人の絆の大切さが、みんなに伝わればうれしいな。 なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 ブログ記事では「講義の生スライド」にしていますが、ダウンロード資料では、先頭の「コメントシート」や「質問」などはカットしてあり「講義内容」のみにしてあります。 また、2019ソーシャルキャピタルの講義ブログはこちらです。 11. メソッドを総まとめ:いい組織のつくり方 10. いい組織を持続するメソッド:価値観を共有し、自律を促す 9. グループ活性化のメソッド:チームの問題を解決する 8. グループ活性化のメソッド:心理的に安全な場をつくる 7. 対人関係のメソッド:対人関係の問題を解決する 6. 対人関係のメソッド:対話を通じて共感をうむ 5. ソーシャルキャピタル、光と陰 4. ソーシャルキャピタルの基本を学ぼう 3. ソーシャルキャピタルってなんだろう 2. 人のつながりを考えよう 1. オリエンテーション (例によって、先頭45ページぐらい、質疑応答とかが入ってます) 未来型の組織を考える講義。 前回は、世界的に著名な「自律型の組織」を三社とりあげて、その特徴を学びました。 続く今回は「ホラクラシー」と「DAO (自律分散型組織) 」 そして次回・次次回は「ティール組織」を取り上げます。 未来の組織がどうなるか、その概念をわかりやすくお話しようと、動画もいろいろ含めて、講義を構成してみました。特にプロックチェーンの説明などには難儀しましたが、なんとなくでも理解してもらえたらうれしいです。 なお、混同しやすい3つの未来組織のコンセプトですが「経営における知のサイクル」にあてはめて、以下のように概念化してみました。 なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 ブログ記事では「講義の生スライド」にしていますが、ダウンロード資料では、先頭の「コメントシート」や「質問」などはカットしてあり「講義内容」のみにしてあります。 2019企業経営とトップマネジメントの講義ブログはこちらです。 10. 未来の組織 〜 モーニングスター、セムコ、ゴア 9. 学習する組織 (個人と組織の意思の育成) 8. 学習する組織 (システム思考とメンタルモデル) 7. SDGsとCSVを学ぶワークショップ 6. ソーシャルシフト 5. 数字を見るか、人に見るか (2000-2019) 4. 数字を見るか、人を見るか (1970-1990) 3. 数字を見るか、人を見るか (1930-1960) 2. 経営学の源流を知ろう 1. オリエンテーション この講義。最初の5回は「ソーシャルキャピタルの概念」について深く考え、続く5回では「具体的なソーシャルキャピタルのつくり方」を、視点をだんだんに大きくして学びました。 6回目と7回目のテーマは「対人関係を深めること」 8回目と9回目のテーマは「グループ内の関係性をよくすること」 10回目のテーマは「組織における関係性を高めること」 今回の講義では、後半5回の講義を総まとめした上で、実際の組織をどうよくしていくかを学ぶために、「学習院起業部ストーリー」をお話しました。 これは、私がアドバイザーをしている「チームdot」での体験をベースにしたもので、すべてのサークルにとって参考になる点が多いのではと思います。 なお、三年間にわたる組織開発の歴史、失敗と成功を通じて学んできた「いい組織にとって大切な価値観」を、9つのシェアドバリューとしてまとめています。 なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 ブログ記事では「講義の生スライド」にしていますが、ダウンロード資料では、先頭の「コメントシート」や「質問」などはカットしてあり「講義内容」のみにしてあります。 また、2019ソーシャルキャピタルの講義ブログはこちらです。 10. いい組織を持続するメソッド:価値観を共有し、自律を促す 9. グループ活性化のメソッド:チームの問題を解決する 8. グループ活性化のメソッド:心理的に安全な場をつくる 7. 対人関係のメソッド:対人関係の問題を解決する 6. 対人関係のメソッド:対話を通じて共感をうむ 5. ソーシャルキャピタル、光と陰 4. ソーシャルキャピタルの基本を学ぼう 3. ソーシャルキャピタルってなんだろう 2. 人のつながりを考えよう 1. オリエンテーション 起業や講義で得た知見をもとに集約した「SVCフレームワーク」を使った事業発想。今回は「自分の強み」に「価値のイノベーション」のをかけあわせました。 このフレームワークは今も改善をつづけていて、前回からすこし進化させました。 今、いろいろなワークショップで試行錯誤していて、夏ごろまでにはキチンとしたカタチでまとめられそうです。 なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 また、2019起業論1の講義ブログはこちらです。 6.「自分の強み ✕ コストの革新」から発想する 5. 受け入れる。安心できる場をつくる 4. 完璧主義を手放す。今に集中する 3. シンプルにする。本当の目標を知る 2. 感謝する。幸せにする 1. オリエンテーション 今回から4回にわたって「未来の経営」シリーズです。 ※ 先頭40ページほどは学生からの質問に答えるコーナーになっちゃってます 僕が「未来型組織」と表現しているのはヒエラルキーがないのに、従来型組織を大きく上回る生産性や創造性を発揮し、人々から尊敬を集めている組織のこと。 今日の講義は「相互契約型経営のモーニングスター」「民主主義経営のセムコ」「アイデア市場経営のゴア」と、世界的にも著名で、マネジメントの常識の枠を超えた3社を取り上げました。 いずれも、顧客や社員を資源ではなく人間として尊重していること、そのために社員や顧客に強制することなく相手の立場でモノを考え、社員を信じる強い意思を持っていることが特徴です。 特に、僕が最も尊敬する会社のひとつである W.L.ゴア は、学生組織「イノベーションチームdot」の原型です。ゴアの遺伝子を引き継ぎながら、新しい時代にふさわしい未だ見ぬ組織体を創ろうと、学生たちと大きな夢を共有しています。 さらに来週からは「DAO、ホラクラシー、ティール組織」と、より本格的に「未来の組織」を探っていきます。次世代を担う若者に「常識にとらわれない、人間的な組織をつくれるんだ!そのポイントはここなんだ!」ってことを、わかりやすく伝えられたらうれしいな。 では、また来週ね! なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 ブログ記事では「講義の生スライド」にしていますが、ダウンロード資料では、先頭の「コメントシート」や「質問」などはカットしてあり「講義内容」のみにしてあります。 2019企業経営とトップマネジメントの講義ブログはこちらです。 9. 学習する組織 (個人と組織の意思の育成) 8. 学習する組織 (システム思考とメンタルモデル) 7. SDGsとCSVを学ぶワークショップ 6. ソーシャルシフト 5. 数字を見るか、人に見るか (2000-2019) 4. 数字を見るか、人を見るか (1970-1990) 3. 数字を見るか、人を見るか (1930-1960) 2. 経営学の源流を知ろう 1. オリエンテーション 今回からは組織視点。 組織とは、複数のグループから構成される集団です。 今までの対人関係やグループに関しては、個人の顔が見えることを前提としたお話でしたが、組織となると話は別です。 組織における最大の問題は、グループが「部分最適化」に走り始め「全体最適」ができなくなる、いわゆる縦割り組織化 (サイロ化) です。サイロ化が始まると、組織は急速に硬直化し、ソーシャルキャピタルは枯れてゆきます。 今回の講義では「サイロ化」がなぜ起きるのか、どのような施策がサイロ化を促すのかを考えたのちに、全社員の心をつなぐカギとなる「経営理念」の大切さを、事例を交えてお話しました。 なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 ブログ記事では「講義の生スライド」にしていますが、ダウンロード資料では、先頭の「コメントシート」や「質問」などはカットしてあり「講義内容」のみにしてあります。 また、2019ソーシャルキャピタルの講義ブログはこちらです。 9. チームの問題を解決する 8. 心理的に安全な場をつくる 7. 対人関係の問題を解決する 6. 対話を通じて共感をうむ 5. ソーシャルキャピタル、光と陰 4. ソーシャルキャピタルの基本を学ぼう 3. ソーシャルキャピタルってなんだろう 2. 人のつながりを考えよう 1. オリエンテーション こっちの講義も、質問がいっぱいもらってて、前半20分ぐらいは「人生相談コーナー」になってきました。もらう質問は、主に「人間関係」「組織の悩み」「就活」「恋愛」について。 これらは今、大学生にとって凄く大切なテーマだし、講義内容に直結することも多いので、できるだけ丁寧に答えてます。でも全部は回答できないので、どうしても取り上げてほしい人は、そう明記してね。そうすれば必ず返答するからね。 さて、講義の方は「学習する組織」の後半編。 志と動機をつくりだす「自己マスタリー」と「共有ビジョン」をテーマにお話しました。 今回もアラン・ワッツ、サイモン・シネック、スティープ・ジョブズと多くの映像をたくさん使ってるけど、興味ある人は "study" で見られるから、ぜひチェックしてね。なお、ジョブズの動画の日本語訳は こちらの記事 を参考にしてね。 ハイライトチャートはこれかな。 個人や組織のビジョンを持ち、それに近づこうとする時に考え方です。 ① 現実を正しく理解し、学習しながらビジョンに近づく「クリエイティブ・テンション」 ② 結果に落胆し、自己否定や不安からビジョンを変質させる「エモーショナル・テンション」 ①の態度を維持するには、前回学んだ「メンタルモデル」がキーとなります。 実践の中で、身につけてもらえるとうれしいな。 なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 ブログ記事では「講義の生スライド」にしていますが、ダウンロード資料では、先頭の「コメントシート」や「質問」などはカットしてあり「講義内容」のみにしてあります。 2019企業経営とトップマネジメントの講義ブログはこちらです。 8. 学習する組織 (システム思考とメンタルモデル) 7. SDGsとCSVを学ぶワークショップ 6. ソーシャルシフト 5. 数字を見るか、人に見るか (2000-2019) 4. 数字を見るか、人を見るか (1970-1990) 3. 数字を見るか、人を見るか (1930-1960) 2. 経営学の源流を知ろう 1. オリエンテーション 今回は、グループ視点で問題を解決する講義。 「抱え込みと指示待ち」「新人がやめてしまう」「チーム内の温度差」という典型的な3つのケースをとりあげました。 課題ケースとしてとりあげたものは、2016年〜2018年に「企業経営とトップマネジメント」後期で実際に学生から提起された、現実におきたグループの問題です。なので、すごくリアルですよね。 部活、サークル、ゼミ、バイト先。こういう知見は頭で覚えてもなんの意味もない。ぜひみんなの組織をよくするために、実践してもらえるとうれしいです。 なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 ブログ記事では「講義の生スライド」にしていますが、ダウンロード資料では、先頭の「コメントシート」や「質問」などはカットしてあり「講義内容」のみにしてあります。 また、2019ソーシャルキャピタルの講義ブログはこちらです。 8. 心理的に安全な場をつくる 7. 対人関係の問題を解決するメソッド 6. 対話を通じて共感をうむメソッド 5. ソーシャルキャピタル、光と陰 4. ソーシャルキャピタルの基本を学ぼう 3. ソーシャルキャピタルってなんだろう 2. 人のつながりを考えよう 1. オリエンテーション 「起業論1」の前半「自分と人を幸せにするコツをつかむワーク」シリーズ四回を終えて、後半「自分の強みから事業アイデアを発想する」シリーズに入りました。 自らの起業体験、それにさまざまな講義経験で得た知見をもとに、イノベーションを創発する「SCVフレームワーク」として集約しました。 ■ SCVフレームワークの基本的な考え方 1. Strength-Step. アイデアを中核となる「自分の強み」を発想する ・組織ないし個人の強み(Strength) を「事業アイデア」の中核とする 2. Cost-Step. 「自分の強み」に「コスト革新のトレンド」を組み合わせる ・強みに関する経験に基づき、価格を下げると需要が急増する「商品やサービス」を考える ・どのようにして価格を下げるのかを、最新の「コスト革新のトレンド」をもとに考える トレンドは「技術」「ビジネスモデル」「視点シフト」の3点から構成される 3. Value-Step. 「自分の強み」に「価値革新のトレンド」を組み合わせる ・強みに関する経験に基づき、価値を高めると需要が急増する「商品やサービス」を考える ・どのようにして価値を高めるかを、最新の「価値革新のトレンド」をもとに考える トレンドは「技術」「ビジネスモデル」「視点シフト」の3点から構成される このトレンドは「コスト革新」と「価値革新」において共通のフレームです。今回は「コストの革新」を考える講義なので、コストと強い相関があるものに赤点線枠をつけています。 それぞれ、事例としては、業界を破壊するスタートアップ・トップ50である「2018 Disruptor50」からセレクトしています。詳しくはこちらをどうぞ。 ・"2018 Disruptor50" 資料の総まとめ ・ フォロー戦略で急成長する破壊者 ・ 際立った顧客サービスを持つ破壊者 ・ 常識を覆す低価格を実現した破壊者 ・ P2Pプラットフォームを持つ破壊者 ・ 独自のテクノロジーを持つ破壊者 ・ 業界を破壊する新興企業2018 トップ50 また、組み合わせを想起しやすいよう、大谷翔平が使ったことで有名になった「マンダラート」をワークシートとして使用することにしました。 8回目、9回目の講義は「コスト革新に基づく事業アイデア」を、 10回目、11回目の講義は「価値革新に基づく事業アイデア」を、 それぞれ考えてゆきます。 新しく考えた イノベーション創発フレームワーク「SCVモデル」で、Z世代からどんな事業アイデアが創出されるのか、とても楽しみです。では、また来週! なお、この講義スライドは こちら からダウンロードできます。 また、2019起業論1の講義ブログはこちらです。 5. 受け入れる。安心できる場をつくる 4. 完璧主義を手放す。今に集中する 3. シンプルにする。本当の目標を知る 2. 感謝する。幸せにする 1. オリエンテーション |
著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
8月 2021
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