2019年3月20日、恒例となった「世界幸福度報告書2019」が発表されました。 それにあわせて講義資料を最新版としましたので、こちらで公開します。 なお、この調査における「幸福度」とは、正確には「ウェルビーイング」です。この言葉も国連とポジティブ心理学では定義が異なりますので、こちらにまとめておきます。 今回の調査において、日本は58位で昨年の54位から後退し、先進7カ国(G7)で最低となりました。その主たる要因に「寛容さ」の低さがあることがニュースで取り上げられているので、その点を補足しておきます。 この調査における「寛容さ」とは、上図の定義にあるように「過去一ヶ月間にチャリティなどに慈善活動に寄付したことはあるか」を測定したものであり、寄付の習慣や文化的背景、税制が大きく影響する指標となっています。 ご存知の通り、日本においては寄付の習慣が少なく、税制上の制約も多いことが知られています。したがって、この「寛容さ」が、日本人の考える「社会的な寛容さ」とはやや異なる点をご理解ください。 「世界幸福度報告書2019」における国別ランキングを見ると、昨年に引き続きフィンランドが首位となり、続いてデンマーク、ノルウェー、アイスランド、オランダ、スイス、スウェーデン、ニュージーランド、カナダ、オーストリア。北欧諸国が大きな割合を占めました。 その他先進国では、英国15位、ドイツ17位、米国19位、フランス24位、イタリア36位、日本58位。ちなみに韓国は54位、ロシア68位、中国は93位でした。 このスライド資料は、学習院大学およびビジネス向け講義で使用しているもので、2019年3月20日の国連発表にあわせて改定しています。講義内容は以下の3つの視点から「幸せ」を考えるものです。
なお、この資料は こちら からダウンロードも可能です。
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2018年度 全講義共通して伝えるシェアドバリュー
僕は授業を「先生が知識や技術を教える場」ではなく「幸せに生きるための知恵を君たちとシェアする場」だと思って取り組んでいます。なので、すべての講義を通じて、折りに触れ、僕が大切にしている価値観をお話ししています。受け取り方は人それぞれですが、共感してくれた学生とは自然と会話する機会が増え、仲良くなっていくみたいです。 特に「企業経営とトップマネジメント」と「企業経営とソーシャルキャピタル」では、学びの締めくくりとして「幸せはどこから来るのだろう」という講義をし、最終回で僕の好きな映画「Happy」を上映します。 内的なゴールに向かい、今を大切に生きる。そんな価値観が世界に広まれば、おのずとみんなが幸せになり、さまざまな問題も解決にむかう。世界は平和になり、環境にやさしい社会が生まれてゆく。僕はそう信じて、いま教壇に立っています。 この価値観をそのまんまシェアしているのが、自主ゼミとして自然発生的にはじまった「イノベーションチームdot」です。dotでは、メンバーがびっくりするほど仲がよく、自発的に学びあい、それでいてお互いに切磋琢磨しあっています。チームのシェアドバリューこそが組織の根幹であるべきもの。そんな経営の真髄を、君たちが僕に教えてくれるのです。 2018年度 学習院大学における斉藤徹の講義体系
早いもので、学習院大学で教壇に立ってからもう3回目の春を迎えました。講義スライドを制作する時間をつくるために、それまで好きだったお酒もきっぱりやめて、全力投球で授業に取り組んできた2年間。ようやく講義全体を体系づけることもでき、自分のなかで納得できるレベルになりました。 このプログ "JOIN THE DOTS" は、学習院大学における僕の講義をオープンにする試みです。ブログの主な目的は学生への講義内容のシェアですが、アカデミー界の方はもちろん、ビジネスパーソンの方も含めて、出典元のみ記載いたたければ、スライドを自由にご利用くださって結構です。 ちなみに、僕が受け持っている講義は、前期で週5コマ、後期で週3コマ。すべて90分授業。「経営入門演習」をのぞくと、高学年のみが受講できる「経営学特殊講義」という選択科目です。
すべての講義で、LINEグループをフル活用します。何百名も入る大教室でも、みんながLINEでつながり、投票したり、質問したり、発表したり、それに応えたりしながらコラボ学習するスタイル。2年間トライ&エラーを繰り返して、風変わりなアクティブラーニング空間を創り上げてきました。 特に大切にしているのは、学生一人ひとりと、人間としてリスペクトして向き合うこと。すべての学生には「何か困ったことがあれば、いつでもなんでも連絡ちょうだい」と伝えており、実際に数百人の学生たちとLINEでつながり、日常的に交流しています。 僕は客員教授なのでゼミは持てませんが、うれしいことに講義を受講した学生たちが自主的に集まりはじめ、2016年8月に「イノベーションチームdot」ができました。単位もつかないのに毎週2回の定例活動などが開かれるなど、驚くほど活発な学生組織です。今や50名を超え、なんと2017年5月には株式会社にもなりました。このdot活動は、僕にとっての生きがいです。これを読んだ学生でdotに興味ある人、いつでも僕に連絡ちょうだいねー。 それにしても、ブログ書くのはホントひさしぶり。毎日のように投稿していた「in the looop」を株式会社ループス・コミュニケーションズのオウンドメディアに移行して以来だから、個人では5年ぶりぐらいにオンラインで筆をとります。老骨にムチをうってもしょうがないので、無理をせず、自然体でいきたいと思っています。 これからどうぞよろしくお願いします。 |
著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
8月 2021
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