2018年7月3日 「企業経営とソーシャルキャピタル」第13回 人の幸せはどこから来るのだろう
ソーシャルキャピタル最後の講義は、人の幸せについてのお話です。 前回の講義では、人々が利己的に行動するために発生する「社会的ジレンマ」をとりあげました。環境問題や二極化問題など、地球の病根ともいえる社会的ジレンマの根っこにあるものは、私たち一人ひとりの利己的な行動にあり、最善の解決策として「ソーシャルキャピタル」があるということを学びました。 しかし、僕はさらに本質的に迫って考えたい。人はなぜ利己的に行動してしまうのか。それは「お金、地位、美しさを限りなく追求するところに幸せがある」という、人類の大いなる誤解が根底にあるからだと僕は考えています。 では、本質的に人を幸せにするものはなんなのか。それは目に見えないけれども大切なもの、すなわち自己受容、自己成長、親密な人間関係、そして自分より大きな何かへの貢献であることがポジティブ心理学で明らかにされています。 ならば人間はもっともっと利己的になればいい。 究極的に利己を追求すれば、利己と利他が同一線上にあることに気がつくはずだからです。 次世代を創る若者が「幸せの本質」を理解し、信念を持って行動しはじめれば、世界は劇的に変化していくでしょう。本質的な幸せへの理解こそ、世界をサステナブルに進化させるエネルギーとなるはずだ。僕はそう確信し、日々若者たちと接しています。(この話になると、つい熱くなってしまう汗) さて、授業の中では3つの動画を紹介しました。 マーティン・セリグマン「ポジティブ心理学」 https://www.ted.com/talks/martin_seligman_on_the_state_of_psychology?language=ja マーク・ザッカーバーグ「ハーバード大学卒業式スピーチ」 https://www.youtube.com/watch?v=nFaCasVBvD8 VS.ラマチャンドラン「文明を形成したニューロン」 https://www.ted.com/talks/vs_ramachandran_the_neurons_that_shaped_civilization?language=ja いずれも素晴らしい内容です。講義では一部しか流せていないので、時間があればぜひ全編を味わってみてください。 さて、今回は「人の幸せ」という、ややもすると宗教的な響きになりがちな題材を、科学的なメッセージとしてパッケージしてみました。この講義を聞き、スライドを見てくださった方に、わずかでも幸せへの気づきを届けられれば、それに勝る喜びはありません。 「企業経営とソーシャルキャピタル」講義は こちら 12. 社会的ジレンマ、解決のために 11. 学習する組織 〜 成功循環モデル 10. 学習する組織 〜 自己マスタリーと共有ビジョン 09. 学習する組織 〜 メンタルモデルとチーム学習 08. 学習する組織 〜 システム思考 07. 対話の技術 〜 ゴードンメソッド 06. Googleが発見した成功チームの秘密 05. ソーシャルキャピタルを科学する 04. 見えざる資本、ソーシャルキャピタル 03. ソーシャルキャピタル、光と陰 02. ソーシャルキャピタルって? 01. つながりから価値を生み出そう
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著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
8月 2021
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