「2018 CNBC Disruptor50」は、ニュース専門局CNBCが毎年発表している世界のディスラプター、トップ50リストである。ディスラプターとは「業界の破壊者」、業界秩序や商習慣にとらわれずに、斬新なビジネスモデルやテクノロジーを市場に持ち込み、驚くべきスピードで顧客を獲得している企業を指す。(詳しくは こちらの記事 をどうぞ) このブログでは、独自の基準で、この50社の「5つのタイプ」への分類を試みた。
今回の記事では「独自のテクノロジーを武器として業界を破壊するテクノロジー型」のディスラプター17社につき主要なスペックを記するとともに、イノベーションの基本となる「顧客」「課題」「事業の着眼点」についてシンプルな言葉で整理してみたい。
なお「独自のテクノロジー」の判断基準は、他社から購入することのむずかしい技術かどうかとした。例えば「ドローン」は新しい技術であるが、専門企業から購入が可能なため、ドローン関連企業はこのタイプからは外している。 トップ50に含まれた17社をおおまかに分類すると以下のようになる。
また、全50社のテクノロジーの全体的な傾向についてもまとめておきたい。 ディスラプター50社のコアテクノロジー (CNBCの元記事を参考に筆者の方で分類。複数カウントあり) を分析すると以下のようになった。なお、50社それぞれのコアテクノロジーについては こちらの記事 に記載した。
ディスラプターが圧倒的に採用しているのが、AIによる「機械学習」である。(機械学習については、講義「アイデアにAIと未来予測を組み込もう」を参照のこと) 50社のうち6割がコアテクノロジーとしての活用を宣言しており、もはや汎用技術といってもよいレベルになっている。 ついで多いのが、ネットワークの高度化にともない、独自の「セキュリティ技術」で強みを持つ企業だ。Fintech関連および企業向けセキュリティサービスがが中心である。続く技術は「IoT (Internet of Things)」で、16%の企業がコアコンピタンスとしていることがわかった。 業界を破壊するテクノロジーとして筆者が注目している「ブロックチェーン技術」に関しては、実用化しているのは、分散型個人認証スタートアップの買収などで多角化を進める仮想通貨取引所 Coinbase社と手数料のない金融取引所 Robinhood社のみであり、まだ実験段階であると推測される。 最後に参考として、テクノロジートレンドの指標とされることが多い、Gartnerの「テクノロジー・ハイプサイクル」の最新2018年版を紹介しておきたい。テクノロジーが生まれ、注目され、導入され、安定していくサイクルをあらわしたグラフだ。 イノベーションに関する関連記事は こちら 08. "2018 Disruptor50" 資料の総まとめ (2018) 07. フォロー戦略で急成長する破壊者 (2018) 06. 際立った顧客サービスを持つ破壊者 (2018) 05. 常識を覆す低価格を実現した破壊者 (2018) 04. P2Pプラットフォームを持つ破壊者 (2018) 03. 独自のテクノロジーを持つ破壊者 (2018) 02. 業界を破壊する新興企業トップ50 (2018) 01. イノベーションの教科書、iWokrout
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著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
8月 2021
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