大学で教えている経営学120時間分のエッセンスを集約した講義<全7回>、おかげさまで大変好評をいただいており、創作意欲を掻き立てられてます。がんばります。
初回11月26日20時から予定している初回講座「みんなが本音で話している 〜 心理的に安全な場づくりの技術」について、おおよその講義内容ができてきたので、その「サマリースライド」を公開します。 実際の講義はこれよりボリュームがありますが、見ていただければ、当日のおおよその流れはお伝えできるかなと思います。 なお、この講義は「hintゼミ 経営学クラス」から抽出したもので「すごいチームのつくりかたシリーズ」の初回にあたります。ここで、すごいチームとは「みんなが幸せで、すごい成果をあげるチーム」のこと。経営的に見れば「持続的に成果をあげる自律型組織」をいかにつくるかという視点です。 ■ すごいチームのつくりかたシリーズ A. 11月26日(木) 20:00-21:30 心理的に安全な場づくりの技術 (← これです) B. 11月28日(土) 10:00-11:30 穏やかに導くリーダーシップの技術 C. 12月06日(日) 10:00-11:30 ボトムアップで組織を革新する技術 S. 12月09日(水) 20:00-21:30 すごいチームのつくりかた総集編 いま、講義スライドを作成している最中で、順次ブログでご紹介していきます。講義スライドについてはぎりぎりまでアップデイトしており、セミナー当日に配布する予定です。 なお「すごいチームのつくりかた」「すごい事業のつくりかた」全7回について俯瞰したい方は、こちらの記事をご覧ください。 経営学 120時間分のエッセンスを集約した講義 <全7回> を、なんと無料で公開! https://www.join-the-dots.net/blog/hint0012 11月18日現在で、約250名の方から申込みをいただいており、Zoomの枠を広げて対応させていただきます。講座の申込みは、このフォームからどうぞ。
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学習院大学、ビシネスブレークスルー大学、hintゼミでお話しているビジネス講座のエッセンスを集約。全7回の「hintゼミ無料体験講座」を開催します。ひとつひとつの講座が完結していますので、ご興味ある講座をピックアップして受講ください。
なお、各講座とも先着50名とさせていただく予定です。 興味があり、ぜひ出席したい!と感じる講座をご選択いただけると幸いです。 複数講座の選択も可能です。 ■ すごいチームのつくりかた A. 11月26日(木) 20:00-21:30 心理的に安全な場づくりの技術 B. 11月28日(土) 10:00-11:30 穏やかに導くリーダーシップの技術 C. 12月06日(日) 10:00-11:30 ボトムアップで組織を革新する技術 S. 12月09日(水) 20:00-21:30 すごいチームのつくりかた総集編 「すごいチーム」シリーズ全4回は「hintゼミ 経営学クラス」で学ぶ内容から抽出した講義です。すごいチームとは「みんなが幸せで、すごい成果をあげるチーム」のこと。経営的に見れば「持続的に成果をあげる自律型組織」をいかにつくるかという内容。 約三十年の経営者経験に加えて、イノベーションチームdot、hintコミュニティなど、先進的なティール組織運営のノウハウをぎゅっとパッケージした講座になってます。また、各回とも完結しており、クオリティの高さは保証します。 今、ちょうど講義スライドを作成している最中ですので、内容はお披露目できませんが、順次ブログでご紹介していく予定です。おおまかなところは「hintゼミ 経営学クラス」をご参照くださいね。
■ すごい事業のつくりかた
A. 11月27日(金) 20:00-21:30 事業アイデアの創出と企画の技術 B. 11月29日(日) 10:00-11:30 最短距離で商売を繁盛させる技術 S. 12月11日(金) 20:00-21:30 すごい事業のつくりかた総集編 すごい事業シリーズ全3回は「hintゼミ イノベーションクラス」で学ぶ内容から抽出した講義です。すごい事業とは「笑顔や幸せを生み、自然と売れてゆく事業」のこと。経営的に見れば「社会に貢献し、持続的に成長する事業」をいかにつくるかという内容。 僕は生まれも育ちも起業家ですので、机上の空論は苦手だし、あまり興味がありません。明日から使える知恵や技術、非常に実践的なヒントが、ぎゅっと凝縮された内容になっています。こちらも各回とも完結しており、クオリティの高さは保証します。 講義スライドは作成中で、順次お披露目していきますが、おおまかな内容を知りたい方は「hintゼミ イノベーションクラス」をご参照くださいね。 それぞれの講座内で、参加していただいた方に「講義資料のPDF」をお配りする予定です。 では、またZoomでお会いできるのを楽しみにしてますね! 追記) ひとつお知らせです。先着50名としていましたが、申込み多数のためにいったん人数制限をはずし、上限と判断した場合は募集を締め切らせていただくカタチに移行させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 昨日、hintゼミの大きなイベント「5期卒業式」と「6期入学式」を開催しました! ゼミの5期と6期あわせ、総勢130名を超える方々が集まったZoomイベントは、ゼミ卒業生40名余が参加するチーム「ティールズ」による手作りのもの。とってもあったかい雰囲気の会になりました。ティールズすごい😭 そこで、参加したゼミ生のみなさんにお知らせしたのが「hintアカデミー」という学びの場の創設です。メンバーはhintゼミの1期生から6期生(現役)、それに支援チーム。価値観と知見を共有した約300名が集う、生涯を通じた学び場、無償のラーニング・コミュニティです。 その思いの原点となった「hintアカデミー構想」の企画書、はじめてお披露目します。 [資料をダウンロードしたい方は「みんなの図書館」でどうぞ] 2016年に創設した「ソーシャルシフトラボ」で思いの種ができ、学習院大学とチームdotで実践を通じて構想が熟成され、北欧にある人生のための学校「フォルケホイスコーレ」からインスピレーションも得て、客員教授契約が満了する2019年夏に、人生をかけたライフワーク構想「hintアカデミープロジェクト」としてまとめたものです。 最初に相談したのは、hintの名付け親でもある盟友、さとなおでした。その時の彼のアドバイスはとても的確だったことを覚えています。まずは「hintゼミ」というパッケージからはじめる。顧客満足が高ければ、ファンベースで広がり、自然とラーニングコミュニティが形成されるだろう。ゆくゆくは一緒にやりたいね。みたいな話をし、そこから始めたのが、2019年10月に開講した「hintゼミ 第二期」でした。ここで、4thの方々を中心にすごい濃いメンバーが集まっていたたき、構想の第一歩を踏み出せたのです。 当初は夢物語のような企画でしたが、その後も「hintゼミ」でご一緒したみなさんと、一日一日を真剣に磨いてこれたおかげで、ようやく学びの理想郷のようなコミュニティがカタチづくられてきました。感無量の思いです。 ここからは、ほぼ同じビジョンを描く「イノベーションチームdot」とも交流を深め、このラーニング・コミュニティを、かけがえのない場所にするために全力を投入していきます。 そして、時がくれば、きっと自然に「機会に恵まれない人たちにも、価値ある学びを無償で届けられる場」に進化していくんじゃないかな。それも僕が中心になるのではなく、hintゼミを卒業した方々、みんなのチカラが結集されて。みたいなところまで、なにか確信に近いような希望を持てるようになりました。 機会にめぐまれない方に、とても価値の高い、実践的な学びの場を提供する。学ぶだけでなく、そこにいるだけで安心できる、自分の居場所と感じられるコミュニティをひろげていく。こんな構想にご興味持つ方、ご一緒できそうな方、いらっしゃれば、遠慮なく 斉藤 あてにご連絡くださいね。いつでもお待ちしています。 さて、長くなりましたが、今日から「hintゼミ第6期」および「hintアカデミー」がスタートします。それぞれ、めちゃ充実させたいと気合十分なので、みなさま、ここからの三ヶ月も、どうぞよろしくお願いします!
幸せ視点の経営学とイノベーションを学ぶ、社会人向けオンライン講座「hintゼミ」をエッセンスをまとめた、できたけのホヤホヤの最新資料をふたつ公開します。PDFですので、クリックするとダウンロードも可能です。
ひとつめは「イノベーションクラス」のエッセンスをまとめた「すごい事業のつくりかた」講座。ゼロから事業アイデアを発想するメソッドから始まり、新しい事業を最短距離で立ち上げるためのメソッドを満載した、100ページほどの講義資料です。やはり動画がいくつか含まれてるので、体験したい方はZoom講演へどうぞ。 ふたつめは「経営学クラス」のエッセンスをまとめた「すごいチームのつくりかた」講座。ソーシャルキャピタルのエッセンスや、心理的安全性の高い場のつくりかたなどの知見を満載した、120ページほどの講義資料です。動画がいくつか含まれてるので、すべて体験したい方は、下記のZoom講演にお申し込みください。 また「みんなの図書館」には、関連したダウンロード可能な資料を数多く収納していますので、あわせてご覧ください。 さらに、この資料をより深く理解するための 無料Zoom講座 (hintゼミ無料体験講座) も用意しました。12日と14日はすでに告知済みで、現在それぞれ、定員(90名)に対して6割ほど申込みをいただいてますので、新たに21日と22日の2回分を追加開催 (定員90名) しようと思います。 ご興味ある方は、以下のフォームから申込みください。申込みの翌日には、斉藤からZoom URLをお送りします。講座といっても、とってもリラックスしたムードでお話しますのでお気軽にどうぞ。Zoom越しに、いろいろお話できるのを楽しみにしてます! (注) 申し込みが集中しているためか、Googleフォームが動作しないケースもでているようです。①申し込みできない方、②申し込みしても翌日までにメール連絡が届かない方、については、 斉藤まで直接メールでご連絡 いただければと思います。できるだけ速やかに確認し、ご返答させていただきます。 新型コロナがもたらした影響は、ビジネスにおいても甚大で、多様な範囲におよんでいます。今日はそのうち、組織内に起きる意識変革について考えてみましょう。 コロナ禍が組織に及ぼした、最大のパラダイムシフトはなにか? それは「コミュニケーション」のあり方を根本から変えたことです。これまで当たり前だったこと ― 会社に通勤し、オフィスで働き、会議室で打ち合わせし、時間になると帰宅する − が当たり前ではなくなったことで、仕事をするためのコミュニケーションに劇的な変化が起こりました。 この打ち合わせ、オンラインでいいかな?それともリアルに会う? これまでは考えもしなかったことを考える習慣ができたことで、私たちは仕事を「反応的」ではなく「主体的」にとらえるようになりました。その結果、私たちは「自分で考えたベストだと思う場所、交流の仕方で仕事をしたい」と思うようになったのです。 ではこの状況は、管理者の目にはどう映るでしょう? それは、組織や管理者個人が持つ価値観によって大きくことなってくるでしょう。大きく3つにわかれると僕は考えています。 ■ 以前の状態に戻したい ▲ ツールとしてテクノロジーを活用する ● 変化の本質に気づき、組織を革新する この3つの考え方を図にあらわすと、このようになります。 今、新型コロナは、あらゆる組織に変革を求めており、いうなれば「組織の学習能力」を問うているのです。では、この3つの選択肢について、もう少し詳しく見ていきましょう。 ■ 選択肢その1 管理主義 [元にもどる派] 管理主義の背景にあるのは「目をはなすと社員はサボるものだ。厳しく管理しないといけない」という価値観です。経営学でいうと、ダグラス・マクレガーが提唱した「X理論」、社員を性悪説で捉える考え方です。 そのため、仕事は管理者の目の届くところでするものであり、リアル勤務が基本。オンラインの場合は、会社が支給したPCで仕事をすることを義務づけ、PCの利用状況を把握する、といった管理システムを導入します。 この考え方は、コロナ禍で社員に芽生えた自律性を殺してしまいます。それが当たり前だった時代はともかく、ポストコロナで管理主義をとることは、離職の誘発、やる気の減退につながる危険性があることを覚悟する必要があります。生産性にもプラスにならないと予想します。(在宅ワークのむずかしいエッセンシャルワークにはこの考察は当てはまりません) メリット:社員の行動を完全に把握・管理できる。サボりを防止できる デメリット:社員の主体性を削ぐ。やる気が減退する。会社と社員の信頼関係が毀損する ▲ 選択肢その2 新管理主義 [成果を測る派] 新管理主義の背景にあるのは、管理主義と近い価値観です。「目をはなすと社員はサボるもの」という価値観のもとで「時間管理ができなくなったので、成果だけで管理できるようにしよう」という考え方です。やはり、マクレガーの「X理論」に基づくものですが、管理主義と違い、合理的なところが特徴です。 コロナ禍で芽生えた社員の自律性は、ある程度受け入れられます。また、既存のマネジメントシステムを大きく変える必要がないので、多くの企業に受け入れられやすい考え方です。具体的には、仕事をジョブ型に再定義し、成果を数値化する管理システムを導入します。 ただし、問題は「成果の見える化」の弊害にあります。近年の経営学では「集団的知性」「ソーシャルキャピタル」「心理的安全性」「帰属シグナル」などに注目が集まっており、チームの生産性には「見えないところ」こそ大切であることが実証されてきたからです。 メリッド:既存の経営システムや価値観を活かし、在宅勤務を促進できる デメリット:チームの生産性に悪影響を与える。チームの学習能力に悪影響を与える ● 選択肢その3 自律主義 [組織を革新する派] 自律主義の背景にあるのは、マクレガーの「Y理論」(性善説) の価値観です。「環境次第で社員は自ら責任を受け入れ、自己を成長させたいと思い、組織に貢献しようとするものだ」という価値観です。VUCAと呼ばれる複雑で先がよめない時代、正解がない時代において、社員が自律的に判断し、コラボレーションしあう考え方は実に美しい。ただし、そこには大きな盲点があることを知る必要があります。 安易に管理主義から自律主義に移行しようとすると、放任組織 ― やる気がある人、違う方向を向く人、仕事をさぼる人などの混合組織 ― になり、やる気も成果も減衰してしまうということです。 「自律主義」にも「求心力」が必要なのです。求心力があって初めて、チームは結束し、ひとつの目標に向かうことができるのです。 「管理主義」における求心力は「予算・ルール・マニュアル」であり、それを「統制型リーダー」がまとめていました。 「自律主義」においては「予算・ルール・マニュアル」を最低限として、組織の「ミッション・ビジョン・バリュー」をその上におくこと。その共有を促して社員を後方から支援する「サーヴァントリーダー」が組織をひとつの方向に導くこと。このふたつの要素があって初めて、自律型組織はイキイキと動き出すのです。 メリット:VUCAの時代に適した、学習する組織に成長できる デメリット:メンバーが自律型組織で必要な知見や技術を学ぶ必要がある おすすめのアクション もし、あなたのチームが「管理主義」「新管理主義」を導入する方針であれば、ジョブ型雇用、数値管理、成果型評価に関する書物や記事から学ぶことをおすすめします。この記事なども参考になるかと思います。 日経新聞記事「ジョブ型雇用、職務明確に 成果で評価しやすく」(2020/7/8) ただし、チームの生産性は「数値化しにくいもの」から生まれること、数値化することで数値化されないものが無視されることを意識して、いかにそれを防ぐかを考えることが大切だと思います。おすすめの書籍は、経営学の名著「学習する組織」です。 もし、あなたのチームが「自律主義」への移行を考えているのであれば、私と考え方が近いと思いますので「みんなの図書館」でぜひお調べください。膨大な資料が無料でダウンロードできるサイトです。 どこから手をつけていいかわからないという方は、無料講座「すごいチームのつくりかた」に参加することをおすすめします。自律型組織のポイントを90分で学べます。 hintゼミ無料体験講座:すごいチームのつくりかた (9/12) 【今日のまとめ】 1. コロナ禍は、組織の根幹となる「コミュニケーションのあり方」を変えた。 2. 私たちは「反応的」ではなく「主体的」な働き方を求めるようになった。 3. 組織は社員の主体性をどう受け止めるか。3つの選択肢がある。 4. 管理主義・新管理主義は、社員は管理しないと働かないという価値観に基づく 5. 自律主義は美しい理想だが、「求心力」がないと放任主義になって失敗する ■ 幸せ視点の経営学を日常に活かすシリーズ ・ 社員を管理すべきか、信頼すべきか。それが組織の分かれ道 ・ 落ち込むか、楽しむか。それが人生の分かれ道 ・「売上を求めると、売上は逃げていく」の法則 2020年6月に、米国放送局CNBCが「2020 ディスラプター50」を発表しました。 このブログでは、業界破壊企業の最新動向を定期的にお伝えしていきます。はじめの記事は、新型コロナも追い風になり、驚異的な成長をみせる証券分野の業界破壊企業「ロビンフッド(Robinhood)」の最新ニュースから。 ■ 4ヶ月で3回の資金調達。時価総額は112億ドルに (8/17) 新興オンライン証券の雄、ロビンフッドは、コロナ禍において驚異的な成長を遂げており、8月17日にベンチャーキャピタルから約210億円の資金調達を実施したと発表しました。 背景にあるのは、ロビンフッダーと呼ばれる大学生たちの間で、ゲーム感覚での株式取引が大ブームとなっているからです。 そのため、システム増強などに対する資金需要が旺盛で、ベンチャーキャピタル(セコイア、グーグル系など名だたるVC9社)に対して、2020年5月、7月、8月と矢継ぎ早の第三者割当増資を実行。今年トータルで800億円を超える資金を集め、時価総額は未上場ながら約1.2兆円となりました。 ■ ロビンフッドって、いったいなにもの? ロビンフッドは、2013年にスタンフォード大学でルームメイトだったウラジミール・テネフとバイジュ・バット(ともに移民2世)が立ちあげた、手数料無料で株式の売買ができる金融系スタートアップです。 サービスの特徴は、①手数料が無料、②1ドル未満のわずかな元手で、③スマホベースで気軽に株式の売買ができること。 そのため、投資経験がない若者 (利用者は平均31歳、ほぼ半数がビギナー) が、コロナ給付金などをもとに、ゲーム感覚で株式の売買に参加しはじめ、大きなトレンドとなりました。 例えば、ロビンフッドは2020年第1四半期(1~3月) に口座数を300万増やしましたが、これは「オンライン証券」が誕生して以来の衝撃と言われており、Eトレードなど大手の口座数を一気に抜きさって、業界関係者を驚かせました。 ロビンフットの共同創業者、テネフとバット ![]() ■ マーケットを動かし始めたZ世代 ゲーム感覚で株式に投資する若者たちは「ロビンフッダー」と呼ばれており、資産家が支配していたウォール街をも動かしつつあります。特にZ世代(1996年以降に生まれたソーシャルネイティブ世代)である大学生にとって、資本主義の支配層、特にウォール街に対する挑戦と言ってもいいかもしれません。 例えば、米国株式相場がコロナショックによる激震から素早く立ち直った背景にはロビンフッダーによる投資があるとの見方も少なくありません。 経済学者ケインズは「株式投資は美人投票のようだ」と例えましたが、初心者である彼らの行動は、まさに好きなブランドに対する投票といえます。そのため、Z世代に知名度の高い企業の株価に、ポジティブな影響がでてきています。 参考までロビンフッドで売買された株式 (2020年8月3日) ベスト5銘柄は、1位がTesla、2位がAmazon、3位がAppleとなっており、いずれも急騰しています。 ただし、これらの株式の急騰は、ロビンフッダーに加え、へッジファンドによる投資の影響も大きいと考えられていることを付け加えておきます。 若者によるロビンフットの使いかた解説。驚くほど使い勝手のよいアプリ ■ この会社の収益は、いったいどこから来るのだろう? それにしても「手数料が無料」の株式売買は、なぜ成立するのでしょう。従来の証券会社の常識を根本からくつがえす新興企業の収益は、いったいどころから来るのでしょう。 同社は、創業時から「収益より利用者の利便性を追求する」と宣言しており、①フリーミアムモデル(有料会員は一定額の融資を受けることができる)、②利用者の預かり口座から得られる金利 ③提携銀行からのデビットカード手数料 などが収益の基盤としているとしてきました。 しかし2018年、米国証券取引委員会(SEC)に提出した第二四半期の報告書から、同社が顧客の注文データをHFT(超高速取引)企業に売却する「ペイメント・フォー・オーダーフロー」という手法により、巨額の利益を得ていた事が明らかになったのです。 ■「ペイメント・フォー・オーダーフロー」って、どういうこと? ロビンフッドの主要クライアントである「HFT企業」とは、1ミリ秒(0.001秒)という超高速な売買を行うことで利益を生み出す仕組みを持つ投資企業のことです。 HFTが利益を生み出す仕組みは、市場間のわずかな価格差を検知して利ざやをあげる「アービトラージ取引」やニュースや経済指標が発表に時点で自動注文を入れる「ディレクショナル取引」などがありますが、「フロントランニング」と呼ばれる法律で禁じられた取引 ― 利用者の注文に対して、その注文が成立する前に超高速で買いと売りをほぼ同時に入れることで、100%に近い確率で利ざやを上げる ― をしているのではという疑いもあるようです。 いずれにしても、SEC報告書によってわかったのは、ロビンフッドは、HFTに利用者の注文情報を流すことでリベートを受け取り、収益の4割強をまかなっていたということ。それも、大手金融機関の10倍以上の単価でリベートを受け取っていたことがわかりました。 出典:清水葉子氏「アメリカの証券委託売買 手数料無料のビジネスモデル」より ロビンフットの快進撃に刺激を受けた証券業界では、昨年10月のチャールズ・シュワブを皮切りに、TDアメリトレード、Eトレードなども手数料無料に踏み切っていますが、そのいずれもが、HFTへ注文を回送することで利益をあげているようです。 なお、日本の証券業界にも売買手数料無料の波は届いていますが、注文回送へのリベートがないなど証券業界のビジネスモデルが異なるために、米国とは異なる流れになるだろうと予想されています。 ■ 社会の公器として問われる、ロビンフッドの功罪 "Investing for Everyone" ― その実現のために、ロビンフッドは収益を期待せず、損益ゼロになるよう運営する ― とは、創業者テネフ氏の言葉であり、同社の基本方針です。 リーマンショックに触発されて創業し、ウォール街に対する反体制文化と「富裕層から盗め」という精神で、ロビンフッドは若者の支持を受けて急成長しました。しかし、その収益の半分近くは、ウォール街でも物議を醸している取引慣行から得ていたことが明らかになり、弱者の味方どころか、強気を助け弱気をくじくのではないかと、一部から指摘されています。 また、今年3月の株式暴落のときに売買不能になるなど、急激な成長により生じたシステム障害が多いことも同社が抱える大きな課題です。さらに、今年の6月には、20才の大学生がスマホの情報を見誤り、巨額の赤字を抱えたと勘違いして自殺に追い込まれてしまったという悲劇まで発生しました。 それでも、コロナ禍で家に閉じこもる若者をウォール街に導き、先の見えない大暴落からマーケットを救ったロビンフッドは、投資家から見たら救世主にも見えるでしょう。 同社に大きな期待を寄せる著名ベンチャーキャピタルたちは、総額800億円という巨額の投資を行い、ロビンフットの勢いを強力に下支えする動きを見せています。 わずか7年前。ミレニアル世代の移民二世二人が創業した、ロビンフッド。 未上場ながら、時価総額1.2兆円。証券業界を破壊する勢いで成長する新興企業。 若者の、若者による、若者のための業界破壊企業が、今後、社会の公器としてどのように成長していくのか、その行く先に、大いなる注目が集まっています。 【関連情報】 ・最新の業界破壊企業の情報については こちら をどうぞ ・各種資料のダウンロードは こちら をどうぞ
10月から始まる「hintゼミ 6期」の募集を、今週から本格的に開始しました。
こちらは「イノベーションクラス」の無料体験講座です。 今回は、新しい事業をつくるための具体的なブロセスをまとめた「hintフレームワーク」を大きくアップデイトしたので、それに基づくお話になります。 ・事業創造メソッド「hintフレームワーク ver2.0」について 特にチカラを入れたのは、何もアイデアがない状態から有望がアイデアをいかに生み出すところ。今回は、質の高い「問い」をあらかじめ用意することで、アイデアを閃きを誘発するステップを入れました。「新しい着眼点をひらめく問い」「新しい価値観をとりいれる問い」「最新の技術を組み入れる問い」「日本のトレンドを強みに変える問い」の4種類を用意しています。 また、PMF(製品市場フィット)の具体的なアプローチにもかなりチカラを入れました。「最小機能製品の事例」「最初の顧客のつくりかた」「ショーンエリスのテストを高めた事例」などを追加し、実践的、具体的に事業開発に役立つ内容に進化させています。 この無料体験講座でお話するスライドはこちらになります。 なお、この体験講座のベースとなっている「hintフレームワーク v2.0」についても、来週早々にはこちらのページで公開し、ダウンロードもできるようにする予定です。 フレームワーク自体は200ページを超える大作なので、ポイントをピックアップして、全体の流れを把握したいという方向けに、こちらの講座を用意しました。「hintフレームワーク2.0」にそったイノベーションのつくりかた講座です。 二回行いますが、同じ内容なので、ご都合のよい方をお選びください。 日時 :9月06日(日) 10:00〜11:40 (完了) :9月14日(月) 20:00〜21:40 :9月22日(火) 10:00〜11:40 料金 :無料 (人数限定あり) メディア :Zoom (申込みしてくださった方に斉藤からURLをご連絡します) アジェンダ: 第1部 ハッピー・イノベーションのつくりかた (60分) ・0 to 1 〜アイデアを発想する ・CPF 〜顧客に共感し、課題を発見する ・PSF 〜 課題に対する解決策をつくる ・PMF 〜 市場が受け入れる製品をつくる 第2部 深く学び、実践するために (20分) ・hintゼミについて ・hintゼミ対談 〜 ゼミの学びを、自分のチームに活かすには 第3部 質疑応答 (20分) Zoomベースのライブ講演で、講師は僕です。第二部ではhintゼミメンバーも参加して「hintゼミで学んだことを、現実のチームの中で、どう活かしていくか」みたいな話もしようかなと思ってます。hintゼミメンバーも参加して、ゼミの紹介も入りますが、聞いてもらえるとうれしいです。(hintゼミメンバーは、僕にとって価値観と知見をともにしたよき友人であり、頼れる同志です) 個人ないし企業で □ 強みを生かした、新商品やサービスのつくりかたを知りたい □ 最短・最小コストで成功する事業のつくりかたを知りたい なんとなくわかってるんだけど、もっと具体的で、かつ、明日から活かせる手法を具体的に知りたい。そんな思いを持つ方におすすめです。個人の起業だけでなく、企業の事業開発にも役立つ内容です。よろしければどうぞお気軽にご参加ください。 それと、経営学クラス無料体験講座のご案内はこちらです。 ・幸せも成果も持続する、すごいチームのつくりかた講座 いずれもZoomの人数制限がありますので、お早めに。ではではー 経営学とイノベーションの講義資料を磨き続けて、もう約5年。講義づくりは、完全に僕のライフワークになっちゃいました。新しい文献やニュース、ブログなどに触れるたびにメモを書き、それを定期的にアップデイトする毎日です。 で、今回は「hintゼミ 第6期」の募集も開始したので、それにあわせて、新しい「すごいチームのつくりかた」をオープンしたいと思います。 この内容は、hintゼミの「経営学」の入門編として、エッセンスをまとめた資料です。(入門編としましたが、実際にはめちゃ濃い内容になっちゃてます?) 三ヶ月前の資料から更新したところは「ポストコロナ」のところとか「心理的安全性をどう高めていくかの具体的なアプローチ」とか、ストーリーの構成も含めて、かなりいっぱい。学習院大学時代に、講義やチームdotで何回もトライした「マシュマロ・チャレンジ」のビデオも入れて、できるかぎりわかりやすくつくってみました。 新作はこんな感じです。いかがでしょう?
講演に使うスライド。クリックすれば、すべて内容を閲覧できます
あわせて、書面だけではなかなか伝わりにくいので、このスライドをベースにしたライブ講義を「hintゼミ無料体験講座」として行うことにしました。二回行いますが、同じ内容なので、ご都合のよい方をお選びください。 日時 :9月03日(木) 20:00〜21:40 (完了) :9月12日(土) 10:00〜11:40 :9月21日(月) 20:00〜21:40 料金 :無料 (人数限定あり) メディア :Zoom (申込みしてくださった方に斉藤からURLをご連絡します) アジェンダ: 第1部 幸せ視点で考える、いいチームのつくりかた (60分) ・ポスト・コロナを考える ・つながりは資本である ・組織の土壌をこわすもの ・豊かな土壌をつくるもの 第2部 深く学び、実践するために (20分) ・hintゼミについて ・hintゼミ対談 〜 ゼミの学びを、自分のチームに活かすには 第3部 質疑応答 (20分) Zoomベースのライブ講演で、講師は僕です。第二部ではhintゼミメンバーも参加して「hintゼミで学んだことを、現実のチームの中で、どう活かしていくか」みたいな話もしようかなと思ってます。hintゼミメンバーも参加して、ゼミの紹介も入りますが、聞いてもらえるとうれしいです。(hintゼミメンバーは、僕にとって価値観と知見をともにしたよき友人であり、頼れる同志です) ご自身の組織やチームを □ 社員が働きがいを感じる組織をつくりたい □ 指示なしで自律的に動くチームをつくりたい □ 心理的に安全な場のつくりかたを知りたい なんとなくわかってるんだけど、そのための知識を体系的な学びたいし、明日から活かせる手法を具体的に知りたい。そんな思いや悩みを持つ方におすすめです。よろしければどうぞお気軽にご参加ください。 それと、イノベーションクラス無料体験講座のご案内はこちらです。 ・最新版!ハッピー・イノベーションのつくりかた講座 Zoomの人数制限がありますので、お早めに。ではではー 幸せ視点の経営学やイノベーションを学ぶ「hintゼミ」では、有志メンバーがオンラインで集い、Zoom会議やFaceookグループを通じて「ポストコロナにおける組織のあり方」を考えてきました。 このたび、その三ヶ月間の成果として、hintレポート Vol.2「これからのオンライン会議」をまとめましたので、こちらにシェアいたします。 コロナショックに関する議論は、政治・経済・社会・医療と広範囲にわたりますが 私たちは、コロナ禍の企業活動への影響を考察する中で、特に変化の核心となった 「これからの会議のあり方」にフォーカスして議論しました。 この記事では、キーとなるチャートをいくつかご紹介しましょう。 まずは、Zoomなどの「オンライン会議」と会議室でおこなう「リアル会議」の違いについて、対人の場合とグループの場合についてまとめてみました。 この背景のキーとなるのは、Zoomなどのオンライン会議で伝わる「非言語コミュニケーション」の種類です。それをシンプルにまとめたのがこの表です。レポート内には詳細な表もありますので、ぜひご覧ください。 さらに、会議の価値とコストという視点から、オンライン会議とリアル会議を比較してみました。機能価値と情緒価値、機能コストと情緒コスト、4つの視点から考察したものです。 このような考察とともに、hintゼミと関連の深いZ世代チーム「株式会社dot」では、週次の定例会議を実験的にオンラインとリアルの交互で行い、その違いを毎週ディスカッションすることで、会議の違いや使い方について学習してきました。 それらの知見も踏まえて、最後のまとめとして、オンライン会議とリアル会議が、それぞれがどのような使い方にむいているか、留意点も含めて「会議使い分けのポイント」として、まとめてみました。 いかがでしたでしょうか? 私たちhintゼミでは、新技術によるイノベーション「オンライン会議」を、積極的に企業のビジネスプロセスに取り入れることは、ポストコロナを生き抜くために避けられない道であり、その活用は組織進化のキーとなるとも考えています。 この考察が、貴社改革の一助となり、働く方々の幸せにつながること。 それが、このレポートにこめた私たちの願いです。 なお、このレポートは こちら (みんなの図書館) からダウンロード していただけます。この図書館には hintレポート vol.1「ポストコロナ、組織のあり方を考えよう」もアップしてあります。ご参考になるところがあれぱ、どうぞ、ご自由にお使いくださいませ。 関連記事 ・hintレポートvol.1「ポストコロナ、組織のあり方を考えよう」を公開します ・hintゼミをご紹介します
2020年6月16日に、最新版「CNBC Disruptor50」が発表されました。
この最新版の発表にあわせて「業界破壊企業」のページを全面アップデートしています。ダウンロードもできますので、ぜひご覧ください。 Join the dots 業界破壊企業ページ https://www.join-the-dots.net/disruptor.html 今年度は、CNBC Disruptor50の評価基準として「コロナ禍への対応」が追加され、コロナショックへの対応が意識されたランキングになっており、前年度と比較して28社が入れ替わりました。 驚くのは、選出された50社のうち、今年に入って新たに社員を雇用した企業が37社、コロナに新サービスなどで対応した企業が22社もあること。業界破壊企業の勢いとスピード感が際立ちますね。
2020年版の業界破壊企業は、2019年版と比較してみると、以下のような特徴があることがわかりました。
・業界破壊企業50社の創業者のうち「ミレニアル世代 (40才未満)」が、なんと51% ・シリコンバレー発が過半数を占めるが、アジア・欧州・中東の企業が急増して20%に ・コロナ禍で、フィンテック(金融)、ヘルステック(医療)、オンライン宅配が大きく躍進
この最新版「Disruptor50」に対応して、全面的にアップデイトした「業界破壊企業 2020 講演」と「hintゼミ6期のご案内」を組み合わせた無料Zoom講座を開きたいと思います。スライドは今からがんばってつくります!
日時 :7月19日(日) 10:30〜12:00 料金 :無料 (限定90名) メディア :Zoom (申込みしてくださった方に斉藤からURLをご連絡します) アジェンダ: 第1部 業界破壊企業 2020 (60分) ・業界破壊企業とはなにか? ・業界破壊企業、新しい3つのエッセンス (ミレニアル、グローバル、コロナシフト) ・新しい価値観、新しい潮流 ・質疑応答 第2部 hintゼミ6期のご案内 (30分) ・hintゼミ6期について (幸せ視点の経営学とイノベーション) ・質疑応答 Zoomによるライブ講座で、講師は僕。第二部は10月から始まる「hintゼミ 6期」のご案内になりますが、聞いてもらえるとうれしいです。 自分の組織を □ 社員が働きがいを感じる組織をつくりたい □ 指示なしで自律的に動くチームをつくりたい □ 心理的に安全な場のつくりかたを知りたい 個人ないし自社で □ 新しい事業やサービスをゼロから考えたい □ 最小コストで成功する事業を起ち上げたい □ 本業ないし副業で、ハッピーイノベーションを実現したい そんな課題をお持ちの方に、ここでしか得られない、具体的なメソッドと機会、ネットワークをご提供します。Zoomの人数制限がありますので、お早めに。ではではー |
著者ビジネス・ブレークスルー大学教授、現役起業家の斉藤徹です。人を幸せにしたいと願う起業家や社会人を育て、一緒に世界をもっと優しいところにする活動をしてます。 アーカイブ
8月 2021
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